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ITパスポート/シラバスVer6.2の変更内容と受験の注意点

ITパスポート試験シラバスVer. 6.2の変更点と受験の注意点 試験情報

2024年4月から、ITパスポート試験が変わります。

IPAから発表されたシラバス変更の要点と、これから受験する場合(3月までの受験含む)に注意すべき点を整理してお話します。

なお、2024年10月の試験から、さらにシラバス6.3に変わることが発表されています。

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IPAの発表内容

ポイントは、次の4点です。

2024年4月の試験から実施

生成AIの仕組み、活用例、留意事項等に関する項目・用語例を追加

その他、近年の動向等を踏まえた用語例などの整理

サンプル問題が公開

ITパスポート試験におけるシラバスの一部改訂について(生成AIに関する項目・用語例の追加など) | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構より)

(補足説明)
生成AIとは、AI(人工知能)を使って新しいデータを生成する技術のことです。生成AIは、入力されたデータを学習し、人間が作ったように自然な文章、音声、画像などを出力します。

なお、令和6年1月までは、シラバスVer.6.1に従って試験が実施されています。

令和5年の途中にシラバスがVer6.1に切り変わり、システム監査基準等の改訂への対応が行われています。

シラバスの変更部分は、どれくらいある?

シラバス Ver6.1(令和5年11月から実施中)

システム監査の目的とIT ガバナンスについての説明が、変更になっています。

マネジメント系

31. システム監査
① システム監査の目的
学習内容
システム監査の目的は、情報システムに係るリスクに適切に対応しているかどうかを、高い倫理観の下、独立かつ客観的な立場のシステム監査人が検証・評価し、もって保証や助言を行うことを通じて、組織体の経営活動と業務活動の効果的かつ効率的な遂行、さらにはそれらの変革を支援し、組織体の目標達成に寄与すること、及び利害関係者に対する説明責任を果たすことであること

32. 内部統制
(2) IT ガバナンス
学習内容
ITガバナンスとは、組織体のガバナンスの構成要素で、取締役会等がステークホルダーのニーズに基づき、組織体の価値及び組織体への信頼を向上させるために、組織体における ITの利活用のあるべき姿を示す IT戦略と方針の策定及びその実現のための活動であること

シラバス Ver.6.2(4月から実施)

主に、生成AIに関する項目・用語例が追加されました。

ストラテジ系

2.業務分析・データ利活用
(3) データ利活用
用語例
精度と偏り
統計的バイアス(選択バイアス、情報バイアスなど)
認知バイアス

4.知的財産権
(1) 著作権法
学習内容
AI が学習に利用するデータ、AI が生成したデータについて、それぞれ著作権の観点で留意する必要があること

(2) 産業財産権関連法規
学習内容
AI が学習に利用するデータ、AI が生成したデータについて、それぞれ産業財産権の観点で留意する必要があること

7.その他の法律・ガイドライン・情報倫理
(2) 情報倫理
学習内容
AI が学習に利用するデータ、AI が生成したデータについて、それぞれ個人情報保護、プライバシー、秘密保持の観点で留意する必要があること

用語例
エコーチェンバー
フィルターバブル
デジタルタトゥー

14.ビジネスシステム
(4) AI(Artificial Intelligence:人工知能)の利活用
① AI 利活用の原則及び指針
用語例
AI 利活用ガイドライン(AI 利活用原則)

② AI の活用領域及び活用目的
用語例
生成AI
マルチモーダル AI
ランダム性

活用例
AI サービスが提供する API の活用

生成 AI の活用(文章の添削・要約、アイディアの提案、科学論文の執筆、プログラミング、画像生成など)

③ AI を利活用する上での留意事項
学習内容
AI を利活用する上での脅威、負の事例の理解

AI の学習に利用するデータの収集方法及び利用条件、並びに出力リスク

AI の出力データにおける、誤った情報、偏った情報、古い情報、悪意ある情報(差別的表現など)、学習元(出典)が不明な情報が含まれる可能性

AI の出力に対する人間の関与の必要性

用語例
説明可能な AI(XAI:Explainable AI)
ヒューマンインザループ(HITL)
AI 利用者の関与によるバイアス
ハルシネーション
ディープフェイク
AI サービスのオプトアウトポリシー

テクノロジ系

35.情報に関する理論
(5) AI(Artificial Intelligence:人工知能)の技術
学習内容
AI 技術(自然言語処理、音声・画像(静止画・動画)の認識・合成など)の基本的な考え方、仕組み、基盤モデル、特徴

用語例
過学習
事前学習
ファインチューニング
転移学習
畳み込みニューラルネットワーク(CNN)
再帰的ニューラルネットワーク(RNN)
敵対的生成ネットワーク(GAN)
大規模言語モデル(LLM)
プロンプトエンジニアリング

61.情報セキュリティ
(4) 攻撃手法
用語例
プロンプトインジェクション攻撃
敵対的サンプル(Adversarial Examples)

ITパスポート試験は、4月からどれくらい変わるのか?

シラバス3から4へ、シラバス4から5へ、シラバス5から6へ変更になった時、急に新しい内容は増えませんでした。

過去の様子から、シラバス6.2の新しい内容は、2024年4月以降、少しづつ試験に反映されるものと予想されます。

2024年4月以降の受験に対し、今、勉強していることが、無駄になることはありません。

次の記事に、シラバス6.2の新出用語をまとめて解説しました。

次の記事に、IPAより公開されたサンプル問題を解説しました。

2024年3月まで受験する場合の注意点

毎年、2月、3月の受験者が増える傾向にあります。

また、4月(シラバス6.2)からだけでなく、10月(シラバス6.3)の試験からも、試験範囲に新しい用語がたくさん増えます。

そのため、試験会場が混んで、希望通りの試験日時、試験会場での受験が出来ないことが予想されます。

ITパスポートの必要な時期から逆算して、早めの受験目標の決定、受験申し込みをお勧めします。

ただし、費用と自信を消耗するので、十分な学習が出来ていない、イチかバチかの状態での受験はやめましょう。

まとめ

ITパスポート/シラバスの一部改訂(Ver6.2へ)について、シラバス変更の要点と、これから受験する場合(2023年度内含む)に注意すべき点を紹介しました。

2024年4月の試験から実施

生成AIの仕組み、活用例、留意事項等に関する項目・用語例を追加

その他、近年の動向等を踏まえた用語例などの整理

サンプル問題が公開されました。こちらの問題解説をご利用ください。

ITパスポートの必要な時期から逆算して、早めの受験目標の決定、受験申し込みをお勧めします。

費用と自信を消耗するので、十分な学習が出来ていない、イチかバチかの状態での受験はやめましょう。

ITパスポート試験は、決して難しい国家資格ではありません。

まずは、ITパスポート試験をよく知りましょう。

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