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ITパスポート/シラバスVer6.3の変更内容と受験の注意点

ITパスポート試験シラバスVer. 6.3の変更点と受験の注意点 試験情報

昨年末に、ITパスポート試験の出題範囲・シラバスの一部改訂が発表されました。

対象は、2024年10月の試験からです。

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IPAの発表内容(ITパスポート関連のみ)

ポイントは、次の4点です。

2024年10月の試験から実施

DXを推進するために必要となる知識(ビジネス変革、デザイン、データ利活用、AI(生成AIを含む)利活用 など)を評価するための対応

「数理・データサイエンス・AI(応用基礎レベル)モデルカリキュラム」(注釈) のキーワード等の取込み

情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験における出題範囲・シラバスの一部改訂について(近年の技術動向・環境変化などを踏まえた改訂) | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構より)

要するに、2024年10月の試験から、勉強しなければならない用語が増えます。

2024年4月の試験から、新しいシラバス(シラバス6.2)に変わって試験範囲が増えるのに、わずか半年後に、さらに試験範囲が増えること(シラバス6.3)になります。

シラバスの変更部分は、どれくらいある?

シラバス6.3の変更点を整理して紹介します。
「ITパスポート試験」シラバスVer. 6.3(変更箇所表示版)(PDF:904 KB)より

変更点のボリュームを確認し、今後の計画にお役立てください。

ストラテジ系

1.経営・組織論
(1) 企業活動と経営資源
用語例
MVV(ミッション,ビジョン,バリュー)
人的資本経営
パーパス経営
カーボンフットプリント

(2) 経営管理
用語例
リスキリング
DE & I(Diversity,Equity & Inclusion)
(削除)ダイバーシティ

活用例
リーダーシップの在り方(コンティンジェンシー理論、シェアードリーダーシップ、サーバントリーダーシップなど)

テレワークの類型(ワーケーション)と経営上の留意点(労務管理の困難さなど)

(3) 経営組織
用語例
CxO(Chief x Officer)

(4) 社会におけるIT利活用の動向
②企業活動及び社会生活における IT利活用の動向
学習内容
社会の変化によって生じている様々な社会課題(労働市場の需給や流動性の変化、人口動態、地球環境、エネルギー問題、教育格差など)を解決するために IT の利活用が有用であること

用語例
超スマート社会
グリーントランスフォーメーション(GX)
カーボンニュートラル

2.業務分析・データ利活用
(3) データ利活用
学習内容
機械判読可能なデータの作成、表記方法

3.会計・財務
(1) 会計と財務
③その他税関連
学習内容
身近な税に関する概要

用語例
消費税
法人税
適格請求書等保存方式(インボイス制度)

5.セキュリティ関連法規
目標
パーソナルデータ、個人情報、個人データの違いを理解する。

(4) パーソナルデータの保護に関する国際的な動向
用語例
忘れられる権利(消去権)

6.労働関連・取引関連法規
(1) 労働関連法規
学習内容
労働安全衛生法、労働施策総合推進法(パワハラ防止法)など、労働者の安全、心身の健康、雇用の安定化、職業生活の向上を目的とした法律があること

用語例
36協定

(2) 取引関連法規
学習内容
大げさな表現などで消費者をだますような広告や、広告であるにもかかわらず広告であることを隠すステルスマーケティングを規制する法律として、景品表示法があること

用語例
景品表示法

7.その他の法律・ガイドライン・情報倫理
(1) コンプライアンス
用語例
ビジネスと人権
ハラスメント

(5) 環境関連法
用語例
廃棄物処理法
リサイクル法
GX推進法

8.標準化関連
目標
遵守すべき標準とガイドラインとしての標準があることを理解する。

(1) 標準化
用語例
デジュレスタンダード

(2) ITにおける標準化の例
学習内容
ITにおけるコネクタなどの形状、通信方式、コード表現などの標準化と活用例

(3) 標準化団体と規格
用語例
ISO 30414(内部及び外部人的資本報告の指針)
JIS Q 31000

9.経営戦略手法
(2) 経営戦略に関する用語
用語例
エコシステム

10.マーケティング
用語例
CX(Customer Experience:顧客体験)
カスタマージャーニーマップ

(2) マーケティング手法
用語例
ロケーションベースマーケティング

11.ビジネス戦略と目標・評価
活用例
目標設定フレームワーク(GROWモデル、PIツリー、SMARTなど)を使った目標設定

12.経営管理システム
(1) 経営管理システム
用語例
SECIモデル
Socialization(共同化)
・Externalization(表出化)
・Combination(連結化)
・Internalization(内面化)

13.技術開発戦略の立案・技術開発計画
(1) 技術開発戦略・技術開発計画
学習内容
イノベーションにつながる技術開発が求められていること

用語例
PoC(Proof of Concept:概念実証)
PoV(Proof of Value:価値実証)

14.ビジネスシステム
(2) 行政分野におけるシステム
用語例
デジタルガバメント
ガバメントクラウド
ベースレジストリ
e-Gov
電子自治体
電子申請
電子調達

16.e-ビジネス
(1) 電子商取引
② 電子商取引の分類
用語例
OMO(Online Merges with Offline)
NFT(Non-Fungible Token)

③ 電子商取引の利用
用語例
中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)

17.IoT システム・組込みシステム
(1) IoT を利用したシステム
用語例
VR ゴーグル
自動運転レベル
スマートシティ

20.ソリューションビジネス
(2) ソリューションの形態
用語例
クラウドサービスの提供形態
・パブリッククラウド
・プライベートクラウド
・ハイブリッドクラウド
・マルチクラウド

マネージドサービス

マネジメント系

26.開発プロセス・手法
(1) 主なソフトウェア開発手法
用語例
MLOps

(3) アジャイル
用語例
ユーザーストーリー
ふりかえり(レトロスペクティブ)
継続的インテグレーション(CI)
スクラムチーム
・プロダクトオーナー
・開発者
・スクラムマスター
スプリント
プロダクトバックログ
スプリントバックログ

28.サービスマネジメント
用語例
SLA
SLO
SLI

29.サービスマネジメントシステム
(2) サービスデスク(ヘルプデスク)
用語例
AIOps

32.内部統制
(3) IT マネジメント
学習内容
IT マネジメントとは、経営方針及び IT ガバナンス方針に基づいて策定した IT 戦略の各目標を達成するために、IT システムの利活用に関するコントロールを実行し、その結果を経営者に報告するための体制を整備・運用する活動であること

テクノロジ系

35.情報に関する理論
(3) 文字の表現
学習内容
代表的な文字コードの特徴

用語例
JIS コード
シフト JIS コード
Unicode

(3)論理的な記述
学習内容
自然言語の文を、記号を用いて論理的に表現できること

40.プロセッサ
(2) プロセッサの基本的な仕組み
用語例
GPGPU

41.メモリ
(1) メモリの種類と特徴
用語例
DDR5 SDRAM

42.入出力デバイス
用語例
USB
・Type-A
・Type-B
・Type-C

48.オープンソースソフトウェア
(1) オープンソースソフトウェア
③ OSS のライセンス
学習内容
OSS を利用する際には、利用する OSS ごとに利用許諾条件がまとめられたライセンスに留意する必要があること

用語例
GPL(GNU General Public License)
コピーレフト

49.ハードウェア(コンピュータ・入出力装置)
(2) 入出力装置
用語例
ポインティングデバイス
・ジョイスティック
・ペンタブレット

ディスプレイ
液晶ディスプレイ
有機 EL ディスプレイ
ヘッドマウントディスプレイ

50.情報デザイン
(1) 情報デザインの考え方や手法
用語例
LATCH(Location、Alphabet、Time、Category、Hierarchy)の法則

51.インタフェース設計
(1) ヒューマンインタフェース
用語例
マルチタッチインタフェース
・タップ
・スワイプ
・フリック
・ピンチ
・ロングプレス

(2) GUI
用語例
ホバー(ロールオーバー)
ツールチップ

(4) Web デザイン
用語例
レスポンシブ Web デザイン
リダイレクト

53.マルチメディア応用
(2) マルチメディア技術の応用
用語例
複合現実(MR:Mixed Reality)
メタバース

58.ネットワーク方式
(2) ネットワークの構成要素
用語例
WiMAX
Wi-Fi 4/5/6/6E

60.ネットワーク応用
(3) 通信サービス
用語例
プラチナバンド
MNP(Mobile Number Portability)

61.情報セキュリティ
(3) 脅威と脆弱性
①人的脅威の種類と特徴
用語例
二重脅迫(ダブルエクストーション)

②技術的脅威の種類と特徴
(削除)ガンブラー

(4) 攻撃手法
用語例
クレデンシャルスタッフィング
バッファオーバーフロー攻撃
オープンリレー
APT(Advanced Persistent Threat)
フットプリンティング

62.情報セキュリティ管理
(2) 情報セキュリティ管理
用語例
リスクコミュニケーション

(4) 情報セキュリティ組織・機関
用語例
ISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)

63.情報セキュリティ対策・情報セキュリティ実装技術
(1) 情報セキュリティ対策の種類
②技術的セキュリティ対策
用語例
EDR(Endpoint Detection and Response)

活用例
ランサムウェア対策
・データのバックアップ
・3-2-1 ルール
・WORM(Write Once Read Many)機能
・イミュータブルバックアップ)

クラウドサービスのセキュリティ対策

③物理的セキュリティ対策
用語例
アンチパスバック
インターロック

(3) 認証技術
用語例
リスクベース認証

(4) 利用者認証
用語例
パスワードレス認証
EMV 3-Dセキュア(3Dセキュア2.0)

(5)生体認証(バイオメトリクス認証)
用語例
本人拒否率(FRR)
他人受入率(FAR)

(6) 公開鍵基盤
用語例
トラストアンカー(信頼の基点)

(7) アプリケーションソフトウェア・IoT システムのセキュリティ
用語例
(削除)コンシューマ向け IoT セキュリティガイド

悲観することはありません

シラバス6.2に続いて、シラバス6.3で、さらに新しい用語が増え、ITパスポート合格に悲観的になる方もいることでしょう。

でも、シラバス3から4へ、シラバス4から5へ、シラバス5から6へ変更になった時、試験問題で、急には新しい内容が増えませんでした。

過去の様子から、シラバス6.3の新しい内容は、2024年10月以降、少しづつ試験に反映されるものと予想されます。

みちともデジタルでは、一人でも多くの方がITパスポートに合格できるよう、随時、新しい用語の解説や予想問題などを公開していきたいと思います。

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