ITパスポート試験 シラバス6対応 テクノロジ系 コンピュータ構成要素 についての出題傾向、学習ポイント、重要な用語を紹介します。
「コンピュータ構成要素」の出題傾向
4問程度(テクノロジ系45問中)出題されます。
令和元年以降、あまり変わっていません。
Ver.○.○の表示について
用語が初めて掲載されたときの、シラバスのバージョンです。
表示がないのは、Ver.3以前です。
プロセッサ

CPUの性能に注意!令和4年度公開問題にあったよ。
CPU
CPUは、パソコンの脳のような役割をします。
主記憶装置から順番にプログラムを取り出し、その命令を解読し、各装置の働きを制御します。
また、記憶装置に入っているデータの四則演算や論理演算あるいは判断処理などを行います。
CPUの性能
CPUの性能については、さまざまな要素で変わります。
・32ビットCPUと64ビットCPU
ビット数の多い方が一度に処理するデータ長を大きくできる。
・CPU内のキャッシュメモリの容量
容量が大きいほどCPUの処理速度が向上する。
・クロック周波数
同じ構造の場合、周波数が高いほど処理速度が向上する。
・CPUコアの数
デュアルコアCPU(コア数2個)とクアツドコアCPU(コア数4個)では、コア数が多い方が同時に実行する処理の数を多くできる。
問題をチェック! R4年 問81
クロック
クロックは、複数の電子回路が動作するタイミングを揃えるための規則正しく刻まれた電気信号です。
音楽で使うメトロノームと同じ役割をします。
CPUのクロックは、命令実行のタイミングを調整します。
(ITパスポート 令和3年 問90より)

問題をチェック! R3年 問90
クロック周波数
同じ構造のCPUにおいて、クロック周波数を上げると処理速度が向上します。
(ITパスポート 平成29年秋 問75より)
同一種類のCPUであれば、クロック周波数を上げるほどCPU発熱量も増加するので、放熱処置が重要となります。
(ITパスポート 平成27年秋 問63より)
CPUのクロック周波数と、主記憶を接続するシステムバスのクロック周波数は同一でなくてもいいです。。
(基本情報 平成28年春午前 問9より)
レジスタ
シラ外
レジスタは、CPU内部にある高速小容量の記憶回路であり、演算や制御に関わるデータを一時的に記憶するのに用いられるものです。

問題をチェック! R3年 問64
メモリ

メモリや 記録媒体の種類と特徴を覚えよう。

DDR3 SDRAM
Ver.6.0
DDR3 SDRAMは、パソコンやサーバのメインメモリに利用される半導体メモリです。
クロック信号の立ち上がりと立ち下がりの両方に同期して、データを読み出します。
第3世代の規格です。
DDR4 SDRAM
Ver.6.0
DDR4 SDRAMは、パソコンやサーバのメインメモリに利用される半導体メモリです。
クロック信号の立ち上がりと立ち下がりの両方に同期して、データを読み出します。
第4世代の規格の規格です。
DDR3 SDRAMよりデータ転送能力が2倍あります。
DIMM
Ver.6.0
DIMMは、DDR SDRAMなどを搭載した、コンピュータの主記憶装置として利用される部品です。
ディスクトップPCなどに使われます。
SO-DIMM
Ver.6.0
SO-DIMMは、DIMMよりも基板のサイズが小さく、ノートPCなどに使われます。
HDD
HDD(Hard Disk Drive)
HDDは、磁性体を塗布したディスク(円盤)を高速で回転させ、アームの先端部にある磁気ヘッドによって読み書きする装置で、大容量の補助記憶装置として利用されます。
SSD
SSD(Solid State Drive)
SSDは、記録媒体が半導体でできており物理的な駆動機構をもたないので、 HDDと比較して低消費電力で耐衝撃性も高いです。
(ITパスポート 令和4年春 問84より)
HDDと同じく補助記憶装置の1つです。
問題をチェック! R4年 問84
DVD
DVDは、レーザー光を使ってデータの読み出しや書き込みを行う光ディスクの一つです。
12cmディスクの記憶容量は、片面1層で4.7GBです。
キャッシュメモリ
キャッシュメモリは、CPUコアと主記憶の間にあって、データを高速に読み書きするためのメモリです。
(ITパスポート 平成22年春 問66より)
主記憶とのアクセス時間を見かけ上短縮することによって, CPUの処理効率を高めることができます。(ITパスポート 平成21年春 問69より)
CPUがデータを読み出すとき、まず1次キャッシュメモリにアクセスし、データが無い場合は2次キャッシュメモリにアクセスします。
(ITパスポート 平成30年秋 問65より)
入出力デバイス

センサ,アクチュエータ,Iotデバイス,Iotサーバ,Iotゲートウェイのつながりに注目!
HDMI
HDMIは、映像、音声及び制御信号を1本のケーブルで入出力するAV機器向けのインタフェースです。
DisplayPort
Ver.5.0
DisplayPortは、コンピュータとディスプレイを接続する規格映像と音声をパケット化して、シリアル伝送できます。
(応用情報 令和元年秋午前 問11より)

問題をチェック! コン構 予想1
PCI Express
シラ外
PCI Expressは、パソコンなどに拡張カード(ビデオカードなど)を装着し、CPUやメモリ(RAM)など他の装置と通信するための接続規格です。

IoTデバイス
Ver.4.0
IoTとは、「Internet of Things」の略称
IoTデバイスは、IPアドレスを持ちインターネットに接続が可能な機器およびセンサーネットワークの末端として使われる端末等を指します。
NFC
NFC(Near Field Communication)
NFCは、10cm程度の近距離での通信を行うものであり、ICカードやICタグのデータの読み書きに利用されています。
(ITパスポート 平成30年秋 問66より)
センサ
Ver.4.0
センサで、モノの状態(温度、受けている圧力、におい、湿度、水分量など)を知ることができます。
次のような例が出題されました。
①飲み薬の容器にセンサを埋め込むことによって、薬局がインターネット経由で服用履歴を管理し、服薬指導に役立てることができる。
(ITパスポート 令和元年秋 問3より)
②ベッドに人感センサを設置し、一定期間センサに反応がない場合に通知を行う。
(ITパスポート 令和2年秋 問14より)
問題をチェック! R4年 問97
光学センサ
Ver.5.0
光学センサは、光の強弱を検知して電気信号に変換するセンサです。
カメラの露出計、外灯、自動販売機など、身近なところで多数利用されています。
赤外線センサ
Ver.5.0
赤外線センサは、赤外線を電気信号に変換して、必要な情報を取り出します。
TV等のリモコン、自動ドアなどで利用されています。
磁気センサ
Ver.5.0
磁気センサは、磁場(磁界)の大きさ・方向を測定するセンサです。
ハードディスク装置等の磁気ヘッド、冷蔵庫などのモノの開閉に検出に利用されています。
加速度センサ
Ver.5.0
加速度センサは、加速度を検知するセンサです。
モノの振動や傾きを測定することができる。
加速度とは、単位時間あたりの速度の変化です。
携帯電話の方向の検出や歩数の検出、自動車のエアバックなどに利用されています。
ジャイロセンサ
Ver.5.0
ジャイロセンサは、物体の回転や向きの変化を角速度(単位時間あたりの角度の変化)として検出し、電気信号を出力します。
ジャイロセンサは、ドローン、マルチコプタなどの無人航空機に搭載され、機体を常に水平に保つ姿勢制御などに利用されています。
(応用情報 平成29年秋午前 問71より)
超音波センサ
Ver.5.0
超音波センサは、超音波を出し、物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測して対象までの距離を測るセンサです。
ロボットなどに利用されています。
温度センサ
Ver.5.0
温度センサは、温度を計測するためのセンサです。
エアコン、炊飯器、デジタル温度計、自動車のエンジンなどに利用されています。
問題をチェック! コン構 予想3
湿度センサ
Ver.5.0
湿度センサは、水蒸気を検知および測定するセンサです。
冷蔵庫(庫外/野菜室湿度管理)、エアコン(室内湿度管理)、植物工場用空調設備などで利用されています。
圧力センサ
Ver.5.0
圧力センサは、圧力を検出するセンサです。
電子血圧計、気圧計(気象予 報計)、電子体重計などで利用されています。
煙センサ
Ver.6.0
煙センサは、煙を感知して電気信号を出力します。
アクチュエータ
Ver.4.0
アクチュエータは、コンピュータが出力した電気信号を力学的な運動に変えます。
次のような例が出題されました。
IoTサーバからの指示でIoTデバイスに搭載されたモータが窓を開閉する。
(ITパスポート 令和2年秋 問99より)
DCモータ
Ver.6.0
DC モータは、直流電気を利用して回転運動を作り出します。
油圧シリンダ
Ver.6.0
油圧シリンダは、作動油の持つ流体動力(圧力×流量)を利用して,直線運動を作り出します。
小型であっても大きな動力を得ることができます。

空気圧シリンダ
Ver.6.0
空気圧シリンダは、圧縮空気により直線運動を行う機械部品です。
参考資料
最近、ITパスポート試験では,、IoTシステムでの活用例がよく問題に出ます。
センサについても、IoTシステムでの活用例を覚えましょう。
下の資料8ページ目が参考になります。
まとめ
これまで、テクノロジ系「コンピュータ構成要素」の最新の用語について、出題傾向、学習ポイント、重要な用語を解説しました。
【出題傾向】
4問程度(テクノロジ系45問中)出題されます。
令和元年以降、あまり変わっていません。
【学習ポイント】
・プロセッサ
→CPUの性能に注意!
・メモリ
→メモリの種類と特徴を覚えましょう。
・入出力デバイス
→各デバイスの役割と、センサ、アクチュエータ、Iotデバイス、Iotサーバ、Iotゲートウェイのつながりを覚えましょう。
【重要用語】
シラバス5で、新しい用語がたくさん増えました。
過去問題だけにかたよらず、用語集を使って用語を覚えることが大切です。
以上、テクノロジ系「コンピュータ構成要素」の重要な用語について解説しました。
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