ITパスポート試験 シラバス6対応 テクノロジ系 ソフトウェア についての出題傾向、学習ポイント、重要な用語を紹介します。
「ソフトウェア」出題傾向
「ソフトウェア」から、3問程度(テクノロジ系45問中)出題されます。
平成5年過去(公開)問題では、「ソフトウェア」からは2問でした。
令和元年以降、1問の増減はありますが、大きな変化はありません。
Ver.○.○の表示について
用語が初めて掲載されたときの、シラバスのバージョンです。
Ver.4.0、Ver.5.0は、シラバスの比較的新しい用語です。
Ver.6.0と同じく要注意用語です。
表示がないのは、Ver.3以前からシラバスにある用語です。
オペレーティングシステム

OSの種類の問題では、OSSかどうかがポイントだよ。
オペレーティングシステム(OS)
オペレーティングシステムは、パソコンやスマートフォンなどの端末全体を管理、そして、制御するソフトウェアです。
ユーザーが端末を簡単に操作できるようにしています。
仮想記憶
仮想記憶は、 プログラムやデータを補助記憶装置に格納し、必要に応じて主記憶に読み込むので、主記憶の見かけの容量を拡大できます。
(応用情報 平成25年春午前 問19)

スワッピング
シラ外
スワッピングは、オペレーションシステム(OS)のメモリを管理する機能の一つです。
スワッピングは、主記憶装置(RAM)と補助記憶装置(SSD、HDDなど)間でデータの交換を行う動作のことです。
スワッピングが頻発するとコンピュータの動作が遅くなったり不安定になったりすることがあります。
問題をチェック! R2年 問59
スプーリング
シラ外
スプーリングは、処理能力に大きな差のある装置やソフトウェア、通信回線などを連携して動作させる際に、データ転送を、補助記憶装置を介して行うことによって、システム全体の処理能力を高めることを指します。
処理の早い側は、処理データを補助記憶装置に一時保存することによって、処理の遅い側を待たないで次の処理に取り掛かることができます。
また、処理の遅い側は補助記憶装置からデータを読み出すことによって、処理を進めることが出来ます。
バッファリング
シラ外
バッファ(buffer)は緩衝材の意味をもつ英語で、ITではデータを一時的に蓄えておく記憶装置や記憶領域を指します。
バッファリングは、複数の機器やソフトウェアの間でデータをやり取りするときに、このバッファを介してデータをやり取りすることを指します。
バッファリングによって、複数の機器やソフトウェアの間の処理速度などの差を補い、データのやり取りの速度低下や中断が起きないようにすることができます。
Chrome OS
Ver.6.0
Chrome OSは、Googleが提供している、Linuxをベースとしたオペレーティングシステム(OS)です。
iOS
Ver.4.0
iOSは、アップル社が開発・提供するオペレーティングシステム(OS)です。
テクノロジ系ソフトウェア45.オペレーティングシステム
Android
Ver.4.0
Androidは、スマートフォンやタブレット端末向けのOSS注)のオペレーティングシステム(OS)です。
OSS(オープンソースソフトウェア)は、誰でも自由に改良、再配布することができるという特徴があります。
テクノロジ系ソフトウェア45.オペレーティングシステム
ミドルウェア
シラ外
ミドルウェアは、コンピュータの基本的な制御を行うOSと、業務に応じた処理を行うアプリケーションの中間に位置するソフトウェアです。
ミドルウェアは、アプリケーションソフトウェアがよく利用する特定の機能をまとめたパッケージで、アプリケーションソフトウェアはミドルウェアの機能を呼び出すだけで利用することが出来ます。
テクノロジ系ソフトウェア45.オペレーティングシステム
ファイルシステム

この項目で、シラバスの変更はないよ。
過去問題をしっかりやろうね。
ファイルシステム
ファイルは、写真・動画・文章など、補助記憶装置に書き込むときのデータのあつまりです。
ファイルシステムは、データをファイルという単位で管理し、ファイルを開いたり、コピー、削除などの機能を提供するシステムです。
ファイルシステムにより、誰でも直感的にデータを操作できます。
問題をチェック! R4年 問90
ディレクトリ
ディレクトリは、コンピュータでファイルを保管する場所のことです。
大量のファイルを分かりやすく管理できるようにするため、木構造を採用しています。
なお、Windows や Mac OS では、ディレクトリをフォルダと呼んでいます。

問題をチェック! R元年 問83
ルートディレクトリ
ルートディレクトリは、PCでファイルやディレクトリを階層的に管理するときの、最上位の階層に当たるディレクトリのことです。
(ITパスポート 平成23年特別 問83より)
カレントディレクトリ
カレントディレクトリは、PCでファイルやディレクトリを階層的に管理するときの、現時点で利用者が操作を行っているディレクトリのことです。
(ITパスポート 平成23年特別 問83より)
絶対パス
絶対パス指定は、ルートディレクトリを基点として目的のファイルまでの全てのパスを記述する方法です。

相対パス
相対パス指定は、カレントディレクトリを基点として目的のファイルまでのすべてのパスを記述する方法です。

(1) ファイルは, “ディレクトリ名 /…/ディレクトリ名 /ファイル名” のように、経路上のディレクトリを順に “ /” で区切って並べた後に “ /” とファイル名を指定する。
(2)カレントディレクトリは “.” で表す。
(3) 1階層上のディレクトリは “..” で表す。
(4) 始まりが “ /” のときは、左端のルートディレクトリが省略されているものとする。
(ITパスポート 平成31年春 問96より)
上図の場合は、次のような表記になります。
../B組/上田.jpg
① “..”で、1つ上の階層に移動(フォルダ“A組”から出る)
② “B組”で、1つ下の階層に移動(フォルダ“B組”に入る)
③ 同じフォルダに目的のファイルがあるので、そのまま”上田.jpg“とファイル名を指定
④ “/”を付けてつなげる。
アーカイブ
アーカイブには、複数の意味があります。
・多くのファイルの保存や保管のためのデータの保管場所
・多くのファイルの保存や保管のためのデータの記録形式
・多くのファイルの保存や保管のためにひとまとめに整理されたデータ
問題をチェック! R3年 問83
オフィスツール
禁則処理
シラ外
禁則処理は、行頭や行末にくるとおかしな句読点や記号などを行末や行頭に移動する処理です。
句読点や閉じカッコなどは行頭から行末に、また、開きカッコなどは行末から行頭に移動します。
次のような、禁則処理と誤りやすい例が試験に出題されました。区別できるようにしておきましょう。
”改行後の先頭文字が、指定した文字数分だけ右へ移動した。”(オートインデント機能)
”行頭の英字が、小文字から大文字に変換された。”(オートコレクト機能)
”文字列の文字が、指定した幅の中に等間隔に配置された。”(均等割り付けの機能)
(ITパスポート 令和4年 問71より)
問題をチェック! R4年 問71
表計算ソフト
表計算ソフトは、縦横に並んだマス目(セル)の広がる表(ワークシート)に、値や文字、式や計算ルール入力すると、ソフトウェアが自動的に計算や処理を行い、結果を表示するソフトウェアです。グラフを自動で作成することもできます。
問題をチェック!
R5年 問75 R2年 問71 R元年 問76
ワークシート
ワークシートは、列と行とで構成されるマス目でできた作業をする領域です。
行は、セルの横方向の集まりです。数字で場所を示します。

列は、セルの縦方向の集まりです。アルファベットで場所を示します。

セル
セルは、縦横に並んだマス目です。
列番号と行番号でセルの場所を指定します。
セルE2は、列E行2にあるセルです。
この「E2」の部分をセル番地と言います。

合計(セル範囲)
合計(セル範囲)は、セル範囲に含まれる数値の合計を求める式(関数)です。

個数(セル範囲)
個数(セル範囲)は、セル範囲に含まれるセルのうち、空白セルでないセルの個数を求める式(関数)です。

条件付き個数(セル範囲,検索条件の記述)
条件付個数は、セル範囲に含まれるセルのうち、検索条件の記述で指定された条件を満たすセルの個数を求める式(関数)です。

ピボットデータ表(ピボットテーブル)
Ver.5.0
ピボットデータ表は、リスト形式で用意されたデータを任意の形式で分類し、集計する機能です。
大量のデータを目的に合わせて集計・分析するのに便利です。

オープンソースソフトウェア

OSSの特徴が大切だよ!
OSS
OSS(Open Source Software)
OSSは、ソフトウェアのソースコードがインターネット等を通じて無償で公開され、誰でも改良、再配布できるソフトウェアです。
次のようなOSSがあります。
また、次のような、OSSに関した誤りの記述が試験にたくさん出題されています。
ソースコードを公開しているソフトウェアは、全てOSSである。(誤り例)
著作権が放棄されており、誰でも自由に利用可能である。(誤り例)
どのソフトウェアも、個人が無償で開発している。(誤り例)
ソースコードだけが公開されており、実行形式での配布は禁じられている。(誤り例)
どの製品も、ISOで定められたオープンソースライセンスによって同じ条件で提供されている。(誤り例)
ビジネス用途での利用は禁じられている。(誤り例)
ワープ口ソフトや表計算ソフト、プレゼンテーションソフトなどを含むピジネス統合パッケージは開発されていない。(誤り例)
高度な品質が必要とされる、医療分野などの業務での利用は禁じられている。(誤り例)
ソースコードがインターネット上に公開されてさえいれば、再頒布が禁止されていたとしても OSSといえる。(誤り例)
有償で販売してはならない。(誤り例)
OSSの利用者は、開発者にソフトウェアの対価を支払う義務を負う。(誤り例)
OSSの利用者は、そのOSSを販売したり、無料配布したりすることはできない。(誤り例)
OSSを遺伝子研究分野で利用することはできない。(誤り例)
問題をチェック!
R5年 問82 R4年 問63 R3年 問78
まとめ
これまで、テクノロジ系「ソフトウェア」の最新の用語について、出題傾向、学習ポイント、重要な用語を解説しました。
【出題傾向】
「ソフトウェア」から、3問程度(テクノロジ系45問中)出題されます。
平成5年過去(公開)問題では、「ソフトウェア」からは2問でした。
令和元年以降、1問の増減はありますが、大きな変化はありません。
【学習ポイント】
・オペレーティングシステム
→OSを覚えるときは、OSSか否かがポイントです。
・ファイルシステム
→過去問題をしっかりやりましょう。
・オフィスツール
→ピボットデータ表に注目!
・オープンソースソフトウェア
→OSSの特徴を覚えましょう。
【重要用語】
用語を覚えたら、過去問題演習に重点を置きましょう。
以上、テクノロジ系「ソフトウェア」の重要な用語について解説しました。
コメント
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なお、こんな過去問題(公開)を解説してほしいなどの要望は、歓迎します。
みちとも