令和4年 問39
提供するITサービスの価値を高めるためには、サービスの提供価格、どのようなことができるかというサービスの機能、及び可用性などを維持するサービスの保証の三つのバランスを考慮する必要がある。インスタントメッセンジャのサービスに関する記述のうち、サービスの保証に当たるものはどれか。
正解の理由(令和4年 問39)
可用性は、認可された利用者が、必要なときに情報にアクセスできることを確実にすることです。
ア 「24時間365日利用可能である。」は、可用性について述べているので、サービスの保証の記述です。
よって、正解は ア です。
不正解の理由(令和4年 問39)
イ 「ゲームなどの他のソフトウェアと連携可能である。」は、機能について述べているので、サービスの機能の記述です。
ウ 「無料で利用可能である」は、価格について述べているので、サービスの価格の記述です。
エ 「文字の代わりに自分で作成したアイコンも利用可能である。」は、機能について述べているので、サービスの機能の記述です。
令和4年 問41
テレワークを推進しているある会社では、サテライトオフィスを構築している。サテライトオフィスで使用するネットワーク機器やPCを対象に、落雷による過電流を防止するための対策を検討した。有効な対策として、最も適切なものはどれか。
正解の理由(令和4年 問41)
サテライトオフィスは、オフィスと自宅の中継地となるような場所に設置された小さな分散型オフィスです。オフィスと同等の仕事をこなすため、通信回線によりオフィスと連絡し合える設備を持ちます。
雷サージは、落雷によって発生する、一時的で短時間の異常な過電圧や過電流です。 この過電圧・過電流が電源線、通信線を通って機器に侵入すると、機器やその中のデータが一瞬で破壊されます。
サージ防護は、雷サージの侵入ルートに、雷サージを安全に放流する機器を設置するなどして、雷から対象とする機器(パソコンなど)等を守ることです。
イ 「サージ防護に対応した機器の設置」によって、落雷による過電流を防止できます。
よって、 正解は イ です。
不正解の理由(令和4年 問41)
ア グリーンITは、情報技術(IT)を活用した環境負荷低減につながる考え方・取組のことを指します。
ウ 無線LANルータは、パソコンやスマートフォンなどの無線でインターネットに接続する役割を果たします。
エ 無停電電源装置は、停電や落雷などによる電源の電圧の異常を感知したときに、それをコンピュータに知らせると同時に電力の供給を一定期間継続して、システムを安全に終了させるために、コンピュータと電源との聞に設置する機器です。
無停電電源装置もサージ対策になりますが、電源線からのサージだけです。通信回線からのサージについては対策はできません。
令和4年 問44
ITサービスマネジメン卜におけるインシデント管理の目的として、適切なものはどれか。
正解の理由(令和4年 問44)
インシデントは、システムやサービスに何らかの問題が発生し、ユーザーが本来できることが出来ない状況を指します。
インシデント管理では、発生した問題によって生じたサービスの低下や停止から、可能な限り迅速にサービスを復旧させます。
エ 「中断しているサービスを可能な限り迅速に回復する。」とあるので、インシデント管理の目的です。
よって、正解は エ です。
不正解の理由(令和4年 問44)
ア 「インシデントの再発を防止する。」は、問題管理の目的です。
イ 「変更に伴う障害発生などのリスクを低減する。」は、変更管理の目的です。
ウ 「機器やソフトウェアに関する情報を最新、正確に維持管理する。」は、構成管理の目的です。
令和4年 問46
a~ dのうち、ファシリティマネジメン卜に関する実施事項として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
a コンピュータを設置した建物への入退館の管理
b 社内のPCへのマルウェア対策ソフトの導入と更新管理
c 情報システムを構成するソフトウェアのライセンス管理
d 停電時のデータ消失防止のための無停電電源装置の設置
正解の理由(令和4年 問46)
ファシリティマネジメントは、経営の視点から、システム環境を最善の状態に保つため、建物や設備などの保有、運用、維持が最適な状態となるように改善していくことです。
a 「コンピュータを設置した建物への入退館の管理」とあるので、建物の管理です。ファシリティマネジメントの実施事項です。
b 「マルウェア対策ソフトの導入と更新管理」とあるので、ソフトウェアの管理です。ファシリティマネジメントの実施事項でありません。
c 「ソフトウェアのライセンス管理」とあるので、ソフトウェアの管理です。ファシリティマネジメントの実施事項でありません。
d 「無停電電源装置の設置」とあるので、設備の管理です。ファシリティマネジメントの実施事項です。
よって、ファシリティマネジメントの実施事項は a と d なので、正解は イ です。
令和4年 問49
ITサービスの利用者からの問合せに自動応答で対応するために、チャットボットを導入することにした。このようにチャットボットによる自動化が有効な管理プロセスとして、最も適切なものはどれか。
正解の理由(令和4年 問49)
チャットボットは、文字や音声による問合せ内容に対して、会話形式でリアルタイムに自動応答する仕組みです。
ア インシデント管理は、発生した問題によって生じたサービスの低下や停止から、可能な限り迅速にサービスを復旧させる管理プロセスです。
「自動応答」は、オペレータにつながる待ち時間がありません。より迅速に、利用者に対応できるので、チャットボットはインシデント管理に有効です。
よって、正解は ア です。
不正解の理由(令和4年 問49)
イ 構成管理では、ハードウェア、ソフトウェアといったIT資産を網羅的に洗い出し、IT資産の管理台帳に記録し管理します。
ウ 変更管理では、ITサービスに関する変更要求に基づいて発生する一連の作業を管理します。
エ 問題管理では、将来発生する可能性のある問題の原因を取り除き、問題発生を未然に防ぎます。
令和4年 問51
ITサービスマネジメン卜におけるSLAに関する次の記述において、a、bに当てはまる語句の組合せとして、適切なものはどれか。
SLAは、( a )と( b )との間で交わされる合意文書である。( a )が期待するサービスの目標値を定量化して合意した上でSLAに明記し、( b )はこれを測定・評価した上でサービスの品質を改善していく。
正解の理由(令和4年 問51)
SLA(Service Level Agreement:サービスレベル合意書)は、サービス及びその合意されたパフォーマンス(品質・性能など)が記載された、サービス提供者(サービスの供給者)とサービス利用者(顧客)との間の合意文書です。
よって、問題の文章は
SLAは、( a 顧客 )と( b サービスの供給者 )との間で交わされる合意文書である。( a 顧客 )が期待するサービスの目標値を定量化して合意した上でSLAに明記し、( b サービスの供給者 )はこれを測定・評価した上でサービスの品質を改善していく。
となり、正解は イ です。
令和4年 問54
顧客からの電話による問合せに対応しているサービスデスクが、次のようなオペレータ支援システムを導入した。このシステム導入で期待できる効果a~cのうち、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
顧客とオペレータの会話をシステムが認識し、瞬時に知識データベースと照合、次に確認すべき事項や最適な回答の候補をオペレータのディスプレイに表示する。
a 経験の浅いオペレータでも最適な回答候補を基に顧客対応することができるので、オペレータによる対応のばらつきを抑えることができる。
b 顧客の用件を自動的に把握して回答するので、電話による問合せに24時間対応することができる。
c 対応に必要な情報をオペレータが探す必要がなくなるので、個々の顧客対応時聞を短縮することができる。
正解の理由(令和4年 問54)
a 「次に確認すべき事項や最適な回答の候補をオペレータのディスプレイに表示する。」ので、経験の浅いオペレータでも最適な回答候補を基に顧客対応することができます。オペレータによる対応のばらつきを抑えることが期待できます。
b 問題のオペレータ支援システムにはオペレータ(人間)が必要なので、24時間対応の効果は期待できません。
c 「次に確認すべき事項や最適な回答の候補をオペレータのディスプレイに表示する。」 ので、対応に必要な情報をオペレータが探す必要がなくなります。個々の顧客対応時聞を短縮することが期待できます。
よって、a と c が期待できるので、正解は ウ です。
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