令和5年 問38
システム開発プロジェクトの品質目標を検討するために、複数の類似プロジェクトのプログラムステップ数と不良件数の関係性を示す図として、適切なものはどれか。
正解の理由(令和5年 問38)
散布図は、横軸と縦軸に、それぞれ別の量や大きさを取り、データが当てはまるところに点を打った(プロットをした)グラフです。
2種類のデータの関係性(相関の有無)を表すことを目的として用います。
問題に「複数の類似プロジヱクトのプログラムステップ数と不良件数の関係性を示す図」とあるので、散布図が適切です。
よって、正解は イ です。
不正解の理由(令和5年 問38)
ア 管理図は、プロジェクトの品質マネジメントにおいて、生産物の品質を時系列に表し、プロセスが安定しているかどうか、又はパフォーマンスが予測のとおりであるかどうかを判断するために用いるものであって、許容される上限と下限が設定されている図です。
ウ 特性要因図は、原因と結果の関連を魚の骨のような形態に整理して体系的にまとめ、結果に対してどのような原因が関連しているかを明確にする図です。
(基本情報 平成17年春午前 問75より)
エ パレート図は、分類項目別に分けたデータを件数の多い順に並べた棒グラフで示し、重ねて総件数に対する比率の累積和を折れ線グラフで示した図です。
(ITパスポート 平成23年秋 問14より)
令和5年 問41
次のアローダイアグラムに基づき作業を行った結果、作業Dが2日遅延し、作業Fが3日前倒しで完了した。作業全体の所要日数は予定と比べてどれくらい変化したか。
正解の理由(令和5年 問41)
アローダイアグラムは、プロジェクト全体について、各工程の流れと、その工程にかかる日数を表す図です。PERT図とも言います。
アローダイヤグラムの問題での着目ポイントは、作業と作業の合流する部分(図の●)部分です。
(1) 作業と作業の合流する部分(図の●)部分での作業完了日(計画)を求めます。
はじめは、(作業A→作業C)について確認します。
(2)(作業B→作業D)について確認します。
(3) 作業Cと作業Dの両方が完了する必要があるので、●印部分での作業完了日(計画)は6日目です。
(4) 作業と作業の合流する部分(図の●)部分での作業完了日(計画)を求めます。
(作業A→作業C→作業F)について確認します。
(5)(作業B→作業E→作業G)について確認します。
(6) 作業Fと作業Gの両方が完了する必要があるので、●印部分での作業完了日(計画)は11日目です。
(7) 作業と作業の合流する部分(図の●)部分での作業完了日(結果)を求めます。
(作業A→作業C)について確認します。
(8)(作業B→作業D)について確認します。
作業Dが2日遅延したので、作業Dの作業日数は3日です。
(9) ●印部分での作業完了日(結果)は6日目です。
(10)作業と作業の合流する部分(図の●部分)での作業完了日(結果)を求めます。
(作業A→作業C→作業F)について確認します。
作業Fが3日前倒ししたので、作業Fの作業日数は2日です。
(11)(作業B→作業E→作業G)について確認します。
(12) 作業Fと作業Gの両方が完了する必要があるので、●印部分での作業完了日(結果)は9日目です。
(13) 予定での作業完了日は11日目、結果での作業完了日は9日目なので、2日前倒しになりました。
よって、正解は ウ です。
令和5年 問45
プロジェクトマネジメントでは、スケジュール、コスト、品質といった競合する制約条件のバランスをとることが求められる。計画していた開発スケジュールを短縮することになった場合の対応として、適切なものはどれか。
正解の理由(令和5年 問45)
ア 「資源(メンバー、開発機材、費用など)の追加」によって作業が進み、スケジュールを遵守することが期待できます。
よって、正解は ア です。
不正解の理由(令和5年 問45)
イ 「提供するシステムの高機能化」すると、プロジェクトの作業量が増えるので、スケジュールを遵守できません。
ウ 「プロジェクトの対象スコープ(成果物の量や品質など)を拡大」すると、プロジェクトの作業量が増えるので、スケジュールを遵守できません。
エ 「プロジェクトメンバーを削減」すると作業が遅れ、スケジュールを遵守できません。
令和5年 問54
システム開発のプロジェクトマネジメントに関する記述a~dのうち、スコープのマネジメントの失敗事例だけを全て挙げたものはどれか。
a 開発に必要な人件費を過少に見積もったので、予算を超過した。
b 開発の作業に必要な期間を短く設定したので、予定期間で開発を完了させることができなかった。
c 作成する機能の範囲をあらかじめ決めずにプロジェクトを開始したので、開発期間を超過した。
d プロジェクトで実施すべき作業が幾つか計画から欠落していたので、システムを完成できなかった。
正解の理由(令和5年 問54)
プロジェクトスコープマネジメントは、プロジェクトを実施する範囲を定め、プロジェクトが生み出す製品やサービスなどの成果物と、それらを完成するために必要な作業を定義し管理します。
(ITパスポート 平成28年春 問47より)
a 「人件費を過少に見積もった」とあるので、プロジェクトコストマネジメントの失敗事例です。
b 「開発の作業に必要な期間を短く設定した」とあるので、プロジェクトスケジュールマネジメントの失敗事例です。
c 「 作成する機能の範囲をあらかじめ決めずに」とあるので、プロジェクトスコープマネジメントの失敗事例です。
d 「プロジェクトで実施すべき作業が幾つか計画から欠落していた」とあるので、プロジェクトスコープマネジメントの失敗事例です。
よって、プロジェクトスコープマネジメントの失敗事例は c と d で、正解は エ です。
令和5年 問55
ソフトウェア開発の仕事に対し、10名が15日間で完了する計画を立てた。しかし、仕事開始日から5日聞は、 8名しか要員を確保できないことが分かった。計画どおり15日間で仕事を完了させるためには、 6日目以降は何名の要員が必要か。ここで、各要員の生産性は同じものとする。
正解の理由(令和5年 問55)
工数は、ある作業(プロジェクト)を完了させるために要する作業量を示します。
工数=人数×期間
ソフトウェア開発の仕事に必要な工数
=10人×15日=150人日
5日目まで確保できた工数
=8人×5日=40人日
残りの10日間で必要な工数
=150人日 – 40人日=110人日
残りの10日間で必要な人数
=110人日÷10日=11人
よって、正解は イ です。
コメント