令和5年 問2
次の a ~ c のうち、著作権法によって定められた著作物に該当するものだけを全て挙げたものはどれか。
a 原稿なしで話した講演の録音
b 時刻表に掲載されたバスの到着時刻
c 創造性の高い技術の発明
正解の理由(令和5年 問2)
著作物は、自分の考えや気持ちを作品として表現したものです。
a 「原稿なしで話した講演の録音」は、著作物です。
b 「時刻表に掲載されたバスの到着時刻」は、著作物でありません。
c 「創造性の高い技術の発明」は、著作物でありません。
よって、著作物に該当するものは a だけで、正解は ア です。
令和5年 問9
ソーシャルメディアポリシーを制定する目的として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
a 企業がソーシャルメディアを使用する際の心得やルールなどを取り決めて、社外の人々が理解できるようにするため
b 企業に属する役員や従業員が、公私限らずにソーシャルメディアを使用する際のルールを示すため
c ソーシャルメディアが企業に対して取材や問合せを行う際の条件や窓口での取扱いのルールを示すため
正解の理由(令和5年 問9)
ソーシャルメディアポリシーは、企業や団体などがSNSの運用についてどうするのかを取り決めたルールです。
a 「社外の人々が理解できるようにするため」は、適切です。
b 「企業に属する役員や従業員が、公私限らずにソーシャルメディアを使用する際のルールを示すため」は、適切です。
c ソーシャルメディアポリシーは企業や団体などのSNS運用ルールで、 「ソーシャルメディアが企業に対して取材や問合せを行う際の条件や窓口での取扱いのルール」ではありません。不適切です。
よって、ソーシャルメディアポリシーを制定する目的として適切なものは a と b で、正解は イ です。
令和5年 問10
フォーラム標準に関する記述として、最も適切なものはどれか。
正解の理由(令和5年 問10)
フォーラム標準は、関心のある企業等が集まってフォーラム(集まる場)を結成して作成した標準(規格)です。
エ 「特定の分野に関心のある複数の企業などが集まって結成した組織が、規格として作ったもの」とあるので、フォーラム標準の記述です。
よって、正解は エ です。
不正解の理由(令和5年 問10)
ア 「工業製品が、定められた品質、寸法、機能及び形状の範囲内であることを保証したもの」は、JIS(日本産業規格)の記述です。
イ 「公的な標準化機関において、透明かつ公正な手続の下、関係者が合意の上で制定したもの」は、デジュール標準の記述です。
ウ 「特定の企業が開発した仕様が広く利用された結果、事実上の業界標準になったもの」は、デファクト標準(デファクトスタンダード)の記述です。
令和5年 問15
パスワードに関連した不適切な行為 a ~ d のうち、不正アクセス禁止法で規制されている行為だけを全て挙げたものはどれか。
a 業務を代行してもらうために、社内データベースアクセス用の自分のID とパスワードを同僚に伝えた。
b 自分のPCに、社内データベースアクセス用の自分のパスワードのメモを貼り付けた。
c 電子メールに添付されていた文書をPCに取り込んだ。その文書の閲覧用パスワードを、その文書を見る権利のない人に教えた。
d 人気のショッピングサイトに登録されている他人のID とパスワードを、無断で第三者に伝えた。
正解の理由(令和5年 問15)
不正アクセス禁止法は、不正アクセス行為や、不正アクセス行為につながる識別符号の不正取得・保管行為、不正アクセス行為を助長する行為等を禁止する法律です。
( 不正アクセス行為の禁止等に関する法律|国民のためのサイバーセキュリティサイト (soumu.go.jp)より)
識別符号とは、情報機器やサービスにアクセスする際に使用するIDやパスワード等のことです。
不正アクセス禁止法の禁止行為
不正アクセス行為 | |
他人の識別符号を不正に取得する行為 | |
不正アクセス行為を助長する行為 | |
他人の識別符号を不正に保管する行為 | |
識別符号の入力を不正に要求する行為 |
a 同僚に伝えたのが「自分のID とパスワード」なので、不正アクセス禁止法で規制されている行為に当たりません。
b 張り付けたメモは「自分のパスワード」なので、不正アクセス禁止法で規制されている行為に当たりません。
c 教えたのは「自分に送られてきた文書の閲覧用パスワード」なので、不正アクセス禁止法で規制されている行為に当たりません。
d 「他人のID とパスワードを、無断で第三者に伝えた。」は、不正アクセス禁止法で規制されている行為に当たります。
よって、不正アクセス禁止法で規制されている行為は d だけで、正解は エ です。
令和5年 問18
EUの一般データ保護規則(GDPR)に関する記述として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
a EU域内に拠点がある事業者が、 EU域内に対してデータやサービスを提供している場合は、適用の対象となる。
b EU域内に拠点がある事業者が、アジアや米国などEU域外に対してデータやサービスを提供している場合は、適用の対象とならない。
c EU域内に拠点がない事業者が、アジアや米国などEU域外に対してだけデータやサービスを提供している場合は、適用の対象とならない。
d EU域内に拠点がない事業者が、アジアや米国などからEU域内に対してデータやサービスを提供している場合は、適用の対象とならない。
正解の理由(令和5年 問18)
EU(European Union:欧州連合)とは、欧州連合条約に基づく、経済通貨同盟、共通外交・安全保障政策、警察・刑事司法協力等のより幅広い分野での協力を進めている政治・経済統合体です。
一般データ保護規則(GDPR)は、EU域内にいる個人の個人データを保護するためのEUにおける統一的ルールです。
EUの個人データを取り扱う場合、EUに拠点がない日本企業も対応が求められる可能性があります。
a 「EU域内に拠点がある事業者」とあるので、 「適用の対象になる」は、適切です。
b 「EU域内に拠点がある事業者」とあるので、「適用の対象とならない。」は、不適切です。
c 「EU域内に拠点がない事業者」で、「EU域外に対してだけデータやサービスを提供している」とあるので、「適用の対象とならない。」は、適切です。
d 「EU域内に対してデータやサービスを提供している」ので、「適用の対象とならない。」は、不適切です。
よって、EUの一般データ保護規則(GDPR)に関する記述として適切なものは a と c で、正解は ウ です。
令和5年 問25
企業の行為に関する記述 a ~ c のうち、コンプライアンスにおいて問題となるおそれのある行為だけを全て挙げたものはどれか。
a 新商品の名称を消費者に浸透させるために、誰でも応募ができて、商品名の一部を答えさせるだけの簡単なクイズを新聞や自社ホームページ、雑誌などに広く掲載し、応募者の中から抽選で現金10万円が当たるキャンペーンを実施した。
b 人気のあるWebサイトを運営している企業が、広告主から宣伝の依頼があった特定の商品を好意的に評価する記事を、広告であることを表示することなく一般の記事として掲載した。
c フランスをイメージしてデザインしたバッグを圏内で製造し、原産国の国名は記載せず、パリの風景写真とフランス国旗だけを印刷したタグを添付して、販売した。
正解の理由(令和5年 問25)
コンプライアンスは、法令を遵守することはもちろん、社会的規範などの基本的なルールに従って活動することです。
(ITパスポート 令和2年 問2より)
a 「新商品の名称を消費者に浸透させるために、誰でも応募ができて、商品名の一部を答えさせるだけの簡単なクイズを新聞や自社ホームページ、雑誌などに広く掲載し、応募者の中から抽選で現金10万円が当たるキャンペーンを実施した。」は、懸賞金が10万円以下なのでコンプライアンスにおいて問題となるおそれはありません。
b 「特定の商品を好意的に評価する記事を、広告であることを表示することなく一般の記事として掲載した。」は、ステマ(ステルスマーケティング)です。コンプライアンスにおいて問題となるおそれがあります。
c 「パリの風景写真とフランス国旗だけを印刷したタグを添付して、販売した。」は、国内で生産されたことを一般消費者が判別することが困難なので、コンプライアンスにおいて問題となるおそれがあります。
よって、コンプライアンスにおいて問題となるおそれがあるのは b と c で、正解は エ です。
令和5年 問29
不正な販売行為を防ぐために、正当な理由なく映像ソフトのコピープロテクトを無効化するプログラムの販売行為を規制している法律はどれか。
正解の理由(令和5年 問29)
不正競争防止法は、営業秘密の侵害、周知の商品に似た表示をして商品を販売する、技術的制限手段(コピープロテクト等)の効果を妨げる行為などの不正競争を規制するための法律です。
不正競争防止法の禁止行為例
営業秘密となっている他社の技術情報を、第三者から不正に入手した。 (ITパスポート 平成30年秋 問32より) | |
不正な利益を得ようとして、他社の商品名や社名に類似したドメイン名を使用する。 (ITパスポート 令和3年 問9より) | |
広く知られた他人の商品の表示に、自社の商品の表示を類似させ、他人の商品と誤認させて商品を販売する。 (応用情報 令和3年春午前 問78より) | |
正当な理由なく映像ソフトのコピープロテクトを無効化するプログラムを販売する。 (ITパスポート 令和5年 問29より) |
「正当な理由なく映像ソフトのコピープロテクトを無効化するプログラムの販売行為」は、不正競争に該当します。
よって、正解は エ です。
不正解の理由(令和5年 問29)
ア 商標法は、事業者の取り扱う商品やサービスを、他者の商品やサービスと区別するための文字、図形、記号など(識別標識)を保護する法律です。
(基本情報 平成24年春午前 問79より)
イ 特定商取引に関する法律は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。 具体的には、訪問販売や通信販売等の消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルール等を定めています。
(特定商取引法とは|特定商取引法ガイド (caa.go.jp)より)
ウ 不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)は、不正アクセス行為や、不正アクセス行為につながる識別符号の不正取得・保管行為、不正アクセス行為を助長する行為等を禁止する法律です。
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