令和元年 問70
大文字の英字から成る文字列の暗号化を考える。暗号化の手順と例は次のとおりである。この手順で暗号化した結果が“EGE”であるとき、元の文字列はどれか。
暗号化の手順 | 例 “FAX”の暗号化 | ||
処理前 | 処理後 | ||
1 | 表から英字を文字番号に変換する。 | FAX | 5, 0, 23 |
2 | 1文字目に1、2文字目に2、n文字目に nを加算する。 | 5, 0, 23 | 6, 2, 26 |
3 | 26で割った余りを新たな文字番号とする。 | 6, 2, 26 | 6, 2, 0 |
4 | 表から文字番号を英字に変換する。 | 6, 2, 0 | GCA |
英字 | A | B | C | D | E | F | G | H | I | J | K | L | M |
文字番号 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
英字 | N | O | P | Q | R | S | T | U | V | W | X | Y | Z |
文字番号 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
正解の理由(令和元年 問70)
(1) 「求めるもの」と「条件」を確認します。
【求めるもの】
暗号化した結果が「EGE」であるときの、元の文字列
【条件】
示された手順に従う。
(2)問題を解く大筋を確認します。
選択肢に、4つの候補が示されているので、それぞれ、手順通りに暗号化して、「EGE」になるか確認します。
暗号化の手順から復号の手順を考えることも可能ですが、確実に正解できる方法をとります。
ITパスポート試験では、問題に対して試験時間は十分にあります。
めんどうに感じるかもしれませんが、このような手順が示されている問題では、下手に考えるより、手順に従い作業して選択肢を確認する方法をお勧めします。
(3)選択肢を確認するときに迷わない方法(ちょっとした工夫)
試験では、メモ用紙が配布されます。
次のように、メモ用紙にあらかじめ枠を書いておき、後から空欄を埋めるように考えると、誤りが少なく落ち着いて答えることが出来ます。
BED | DEB | FIH | HIF | ||||||
手順 | 前 | 後 | 前 | 後 | 前 | 後 | 前 | 後 | |
1 | 英→番 | ||||||||
2 | 加算 | ||||||||
3 | あまり | ||||||||
4 | 番→英 |
(4) 暗号化して「EGE」になるか、選択肢を確認します。
ア BED
手順にしたがって作業します。
・手順1 表から英字を文字番号に変換する。
(処理前)BED
↓
(処理後)1、4、3
・手順2 1文字目に1、2文字目に2、n文字目に nを加算する。
(処理前)
(処理後)
1
↓
1+1=2
4
↓
4+2=6
3
↓
3+3=6
・手順3 26で割った余りを新たな文字番号とする。
(処理前)
(処理後)
2
↓
2÷26⇒
あまり2
6
↓
6÷26⇒
あまり6
6
↓
6÷26⇒
あまり6
・処理4 表から文字番号を英字に変換する。
(処理前)2、6、6
↓
(処理後)CGG
表に記入する方法の場合には、下の図(「BED」について拡大)のようになります。
暗号化の手順 | “BED”の暗号化 | ||
処理前 | 処理後 | ||
1 | 表から英字を文字番号に変換する。 | BED | 1, 4, 3 |
2 | 1文字目に1、2文字目に2、n文字目に nを加算する。 | 1, 4, 3 | 2, 6, 6 |
3 | 26で割った余りを新たな文字番号とする。 | 2, 6, 6 | 2, 6, 6 |
4 | 表から文字番号を英字に変換する。 | 2, 6, 6 | CGG |
イ DEB
ア と同様にして「DEB」について、表を使って確認します。
暗号化の手順 | “DEB”の暗号化 | ||
処理前 | 処理後 | ||
1 | 表から英字を文字番号に変換する。 | DEB | 3, 4, 1 |
2 | 1文字目に1、2文字目に2、n文字目に nを加算する。 | 3, 4, 1 | 4, 6, 4 |
3 | 26で割った余りを新たな文字番号とする。 | 4, 6, 4 | 4, 6, 4 |
4 | 表から文字番号を英字に変換する。 | 4, 6, 4 | EGE |
ウ FIH
「FIH」について、表を使って確認します。
暗号化の手順 | “FIH”の暗号化 | ||
処理前 | 処理後 | ||
1 | 表から英字を文字番号に変換する。 | FIH | 5, 8, 7 |
2 | 1文字目に1、2文字目に2、n文字目に nを加算する。 | 5, 8, 7 | 6, 10, 10 |
3 | 26で割った余りを新たな文字番号とする。 | 6, 10, 10 | 6, 10, 10 |
4 | 表から文字番号を英字に変換する。 | 6, 10, 10 | GKK |
エ HIF
「HIF」について、表を使って確認します。
暗号化の手順 | “HIF”の暗号化 | ||
処理前 | 処理後 | ||
1 | 表から英字を文字番号に変換する。 | HIF | 7, 8, 5 |
2 | 1文字目に1、2文字目に2、n文字目に nを加算する。 | 7, 8, 5 | 8, 10, 7 |
3 | 26で割った余りを新たな文字番号とする。 | 8, 10, 7 | 8, 10, 7 |
4 | 表から文字番号を英字に変換する。 | 8, 10, 7 | IKH |
よって、暗号化して「EGE」になるのは「DEB」なので、正解は イ です。
めんどうそうな問題でも、作業だけで正解できます。
これまで、たった1問の差で、合否が分かれた高校生の様子をたくさん見てきました。
この経験から、よほど自信がない限り、初めから捨てていい問題はないと思っています。
今回の問題は、一見、めんどうですが、手順を踏んで作業をすれば正解できる問題です。
このような問題を一つでも確実に正解し、合格に近づきましょう。
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