令和元年 問38
システム開発プロジェクトの開始時に、開発途中で利用者から仕様変更要求が多く出てプロジェクトの進捗に影響が出ることが予想された。品質悪化や納期遅れにならないようにする対応策として、最も適切なものはどれか。
正解の理由(令和元年 問3)
【考え方】
プロジェクトでは、顧客のニーズに応えることが最優先です。
選択肢から顧客が満足する「品質悪化や納期遅れにならないようにする対応策」を選びます。
エ 求める品質と納期の条件の下で、あらかじめ「変更要求の優先順位の決め方と対応範囲を顧客と合意しておく。」ことで、顧客が満足する具体的な対応ができます。
よって、正解は エ です。
不正解の理由(令和元年 問3)
ア 一方的に、変更要求を受け付けなければ、顧客の要求を満たせなくなります。適切ではありません。
イ 必要なテストを省略しては、顧客が求める品質を満たせなくなります。適切ではありません。
ウ 顧客が求める機能が満たせなくなります。適切ではありません。
令和元年 問41
プロジェクトマネジメントの進め方に関する説明として、適切なものはどれか。
正解の理由(令和元年 問41)
プロジェクトマネジメントは、プロジェクトを立ち上げ、計画に基づいてプロジェクトを実行、レビューなどを通じて進捗、コスト、品質及び資源を監視・コントロールし、目標を達成して、終結する流れで行われます。
①立ち上げ |
②計画 |
③実行 |
④監視・コントロール |
⑤終結 |
ウ 「計画」 「品質、進捗、コストなどをコントロール」 「目標の達成に導く。」とあるので、プロジェクトマネジメントの説明です。
よって、正解は ウ です。
不正解の理由(令和元年 問41)
ア 「企画、要件定義、システム開発、保守」 「開発を行う。」とあるので、システム開発の説明です。
①システム要件定義・ソフトウェア要件定義 |
システム・ソフトウェアに要求される機能、性能などを明確にします。 |
②設計 |
要件定義で整理した内容を具体化し、どうやってシステムに組み込むかを明確にします。 |
③プログラミング(単体テストの実施までを含む) |
設計に従って、プログラムを作成します。 |
作成した個々のプログラムに誤り(バグ)がないかを確認するために、単体テストを行います。 |
④統合・テスト |
単体テスト済のプログラムを統合し、ソフトウェア・システムが要件どおりに動作するかどうかを確認します。 |
⑤導入・受入れ |
取得者(委託側)は、供給者(受託側)の支援を受けながら、意図した運用環境でシステムを使用し、システムが意図した用途を達成しているかを確認します。 |
⑥保守 |
システムの安定稼働、IT の進展や経営戦略の変化に対応するために、システム・ソフトウェアの修正、変更及び改善が行われます。 |
イ 「戦略、設計、移行、運用、改善」 「ITサービスを維持する。」とあるので、サービスマネジメントの説明です。
①サービスの計画立案 |
②設計 |
③移行 |
④提供 |
⑤改善 |
エ 「予備調査、本調査、評価、結論」 「リスクの識別、コントロールが適切に実施されているかの確認を行う。」とあるので、システム監査の説明です。
監査計画の策定 | ||||
監 査 の 実 施 | 予備調査 | |||
本調査 | ||||
評価 | ||||
結論 | ||||
監査報告 | ||||
フォローアップ |
令和元年 問42
システム開発において使用するアローダイアグラムの説明として、適切なものはどれか。
正解の理由(令和元年 問42)
アローダイアグラムは、プロジェクト全体について、各工程の流れと、その工程にかかる日数を表す図です。PERT図とも言います。
イ 「作業の関連ネットワークで表した図」とあるので、アローダイヤグラムの説明として適切です。
よって、正解は イ です。
不正解の理由(令和元年 問42)
ア 「データの流れを表した図」とあるので、DFDの説明です。
DFD(Data Flow Diagram)は、データの流れに着目し、業務のデータの流れと処理の関係を表記する図です。
(ITパスポート 平成29年春 問14より)
現行業務でのデータの流れを把握し、業務遂行上の問題点を明らかにできます。
(ITパスポート 令和3年 問1より)
ウ 「作業を縦軸にとって、作業の所要期間を横棒で表した図」とあるので、ガントチャートの説明です。
ガントチャートは、時間を横軸にしタスクを縦軸に取って所要期間に比例した長さで表した工程管理図です。
(ITパスポート 平成21年春 問50より)
エ 「データ間の関係を表した図」とあるので、E-R図の説明です。
E-R図(Entity Relationship Diagram)は、対象世界を構成する実体(人、物、場所、事象など)と実体間の関連を表した図です。
(ITパスポート 平成24年秋 問53より)
Entity(エンティティ)には「実体」、Relationship(リレーションシップ)には「関連」の意味があります。
令和元年 問51
プロジェクトマネジメントにおいて、プロジェクトスコープを定義したプロジェクトスコープ記述書に関する説明として、適切なものはどれか。
正解の理由(令和元年 問51)
プロジェクトスコープ記述書は、プロジェクトの最終状態を定義することによって、プロジェクトの目標、成果物、要求事項及び境界を含むプロジェクトスコープを明確にした文書です。
(プロジェクトマネージャ 令和2年秋午前Ⅱ 問3より)
ア 「成果物と作業の一覧及びプロジェクトからの除外事項を記述している。」とあるので、プロジェクトスコープ記述書の説明です。
よって、正解は ア です。
不正解の理由(令和元年 問51)
イ 「各作業の開始予定日と終了予定日を記述している。」とあるので、スケジュールマネジメント計画書の説明です。
プロジェクトスケジュールマネジメントは、プロジェクトのスケジュールを作成し、進捗状況や変更要求に応じてスケジュールの調整を行うなどの管理や生産性を向上させるために時間の使い方を管理します。
ウ 「コスト見積りを記述している。」とあるので、コストマネジメント計画書の説明です。
プロジェクトコストマネジメントは、プロジェクトにかかる費用を正しく見積り・予算を設定して、プロジェクトの当初の予算と進捗状況から、費用が予算内に収まるように管理します。
エ 「役割、責任、必要なスキルを特定して記述している。」とあるので、資源マネジメント計画書の説明です。
プロジェクト資源マネジメントは、プロジェクトの成功のために、人材や物的資源の調達および管理を行い、プロジェクトを遂行できるチームを組織します。
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