ITパスポート試験(シラバス6.3) テクノロジ系 情報メディア の出題傾向、学習ポイント、重要な用語を説明します。
「情報メディア」出題傾向
Ver.○.○の表示について
用語が初めて掲載されたときの、シラバスのバージョンです。
Ver.4.0、Ver.5.0は、シラバスの比較的新しい用語です。
Ver.6.0と同じく要注意用語です。
表示がないのは、Ver.3以前からシラバスにある用語です。
マルチメディア技術
関係の深い用語のセットがたくさんあるよ。
セットで用語を覚えるといいよ。
マルチメディア
マルチメディアは、文字情報に加えて、音声,画像(静止画・動画)などの様々な形態のアナログ情報をデジタル化し、コンピュータ上で統合的に扱うことです。
(IT パスポート試験 シラバス(Ver.6.0)より)
HyperText
コンピュータを利用して文書を作成・閲覧するしくみの一つです。
文書の特定の部分(文字や絵など)をクリックすると、その部分に関連した別の文書にアクセスすることができます。
問題をチェック! R2年 問80
ストリーミング
ストリーミングとは、インターネット上の映像や音楽などのコンテンツを配信・再生する方式の1つです。
データをダウンロードしながら同時にコンテンツを再生します。
コンテンツのデータが全てダウンロードされるのを待たず、 一部を読み込んだ段階で再生が始まります。
(ITパスポート 平成27年春 問76より)
マッシュアップ
シラ外
マッシュアップは、公開されているWebページやWebサービスを組み合わせて一つの新しいコンテンツを作成する手法です。
(ITパスポート 令和4年 問61より)
次のような、マッシュアップの例が試験に出題されています。
店舗案内のページ上に、他のサイトが提供する地図情報を表示する。
(応用情報 平成25年秋午前 問50より)
問題をチェック! R4年 問61
エンコード
Ver.5.0
エンコードは、符号化ともいいます。
文字・静止画・動画・音声などのある形式のデータを一定の規則や方式で、圧縮や暗号化を含む目的に応じた別の形式のデータに変換することです
デコード
Ver.5.0
デコードは、復号化ともいいます。
符号化と逆の変換を行い、元のデータに戻すことです。
エンコードの逆です。
DRM
DRM (Digital Rights Management)
DRMは、コンテンツの著作権を保護し、利用や複製を制限する技術の総称です。
(ITパスポート 平成27年秋 問46より)
フォント
フォントは、文字をコンピュータなどで表示したり印刷ができるように、文字の形状をデータにしたものです。
等幅フォント
シラ外
等幅フォントは、文字の表示枠の幅が等しいフォントです。
特徴は、プログラムのリストを表示したときに、各行の文字がそろっていて見やすいことです。
プロポーショナルフォント
シラ外
プロポーショナルフォントは、文字ごとに表示幅が調整されたフォントです。
特徴は、文章を表示したときに読みやすいことです。
問題をチェック! R3年 問87
ビットマップフォント
シラ外
ビットマップフォントは、ドットの集まりを文字のデータとするフォントです。
特徴は、小さなサイズではデータ量も少なく、きれいに表示・印字できますが、拡大・縮小すると形がくずれやすいことです。
アウトラインフォント
シラ外
アウトラインフォントは、文字の輪郭(アウトライン)をデータにしたフォントです。
特徴は、拡大や縮小を行っても、形がくずれないことです。
PCM
Ver.6.0
PCM(Pulse Code Modulation:パルス符号変調)
PCMは、音声などのアナログデータをディジタル化するために用いられる方式の一つです。
標本化、量子化、符号化の順に行います。
標本化:
アナログ信号から一定の周期で、信号の一部をパルスとして切り出すことです。
量子化:
標本化したパルスを整数などの離散値で近似的に表すことです。
符号化:
量子化したパルスを、2進符号に変換することです。
WAV
Ver.6.0
WAVは、音声データを記録するファイル形式の一つです。
Windowsでよく使われます
一般に、非圧縮で使われます
拡張子が「.wav」で、データサイズは大きいです。
AAC
Ver.6.0
AACは、音声データの圧縮方式のひとつです。
MP3の後継に当たります。
非可逆圧縮のファイル形式です。
拡張子は、.aac,.mp4などです。
ラスタデータ(ビットマップデータ)
Ver.6.0
ラスタデータは、画像を画素(Pixcel:細かな格子単位)に分割し、各画素の情報を保存することで画像を記録したデータです。
ベクタデータ
Ver.6.0
ベクタデータは、画像を図形としてとらえて、それを構成している直線や曲線などの要素に分解し、それぞれの図形要素の種類と座標点で記録したデータです。
BMP
Ver.6.0
BMPは、静止画をドットの集まりとして扱うデータ形式です。
非圧縮形式でデータ容量が大きいです。
TIFF
Ver.6.0
TIFFは、一つのファイルの中に複数のページが格納でき、各ページは印刷再現性を重視した高解像度のピットマップ画像です。
(応用情報 平成26年春午前 問24より)
データの先頭部分にタグと呼ばれる画像情報が付加され、この情報を元に表示されます。
解像度や色数にかかわらず保存することができ、可逆圧縮方式です。
EPS
Ver.6.0
EPSは、画像ファイルの保存形式の一つです。
PostScriptで記述された図版データを高品質に印刷することができます。
ベクターデータとビットマップデータの両方を含めることができます。
フレーム
Ver.6.0
静止画像が連続して再生されることによって、動画が動いているように見えます。
動画を構成する個々の静止画像がフレームです。
フレームレート
Ver.6.0
フレームレートは、動画において、単位時間あたりのフレーム数(静止画像の数)を意味します。
例えば、5fpsは1秒間に5枚の画像が表示され、30fpsは1秒間に30枚の画像が表示されることを表します。
MPEG
MPEG(エムペグ)は、映像データや音声データの圧縮方式です。
H.264
Ver.6.0
H.264は、ワンセグやインターネットで用いられる動画データの圧縮符号化方式です。
H.265
Ver.6.0
H.265は、4K・8K対応の高画質の動画圧縮規格です。
H.265の圧縮効率は、H.264の約2倍です。
AVI
Ver.6.0
AVIは、Windows用の動画ファイル形式です。
MP4
Ver.6.0
MP4は、動画や音声などを記録するためのファイル形式の一つです。
ネット配信などに使われます。
可逆圧縮
可逆圧縮は、圧縮したデータを元に戻したときに、データを劣化なく完全に元に戻すことができることです。
ランレングス法
Ver.6.0
ランレングス法は、データの可逆圧縮のアルゴリズムです。
文字列中で同じ文字が繰り返される場合、繰返し部分をその反復回数と文字の組に置き換えて文字列を短くします。
ハフマン法
Ver.6.0
ハフマン法は、データの可逆圧縮のアルゴリズムです。
発生確率が分かっている記号群を符号化したとき、1記号当たりの平均符号長が最小になるように割り当てます。
ZipやJPEG、MP3など様々な圧縮形式の仕様の一部に採用されています。
マルチメディア応用
ここにも,関係の深い用語のセットがたくさんあるよ。
セットで用語を覚えるといいよ。
加法混色(RGB)
Ver.6.0
加法混色は、テレビやコンピューターのディスプレイなどで色を表現するときの方法です。
RGBとも呼ばれます。
赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)を組み合わせます。
色を重ねるごとに明るくなり、3つの色を重ねると白になります。
緑+青→シアン
青+赤→マゼンタ
赤+緑→イエロー
赤+緑+青→白
減法混色(CMYK)
Ver.6.0
減法混色は、印刷物に用いられる色を表現する方法です。
CMYKとも呼ばれます。
シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)を組み合わせます。
色を重ねるごとに暗くなり、すべてを混ぜると理論上、黒になります。
マゼンタ+イエロー→赤
イエロー+シアン→緑
シアン+マゼンタ→青
シアン+マゼンタ+イエロー→黒(理論上)
実際の印刷では、CMYを混ぜても「本当の黒」 にならないため、黒(Black)を加えています。
dpi
Ver.6.0
dpi(dot per inch)
dpiは、スキャナやプリンタの解像度を表す単位です。
1インチあたりのドット数を示します。
ppi
Ver.6.0
ppi(pixels per inch)
ppiは、ディスプレイにおける解像度などを表す単位です。
1インチあたりの画素(ピクセル)数を示します。
ラスタ形式
Ver.6.0
ラスタ形式は、ペイント系ソフトウェアで用いられ、グラフィックスをピクセルと呼ばれる点の集まりとして扱う画像データの形式です。
(ITパスポート 平成25年秋 問61より)
ベクタ形式
Ver.6.0
ベクタ形式は、ドロー系ソフトウェアで用いられ、図形や線などを部品として、始点、方向、長さの要素によって描画していく画像データの形式です。
VR
VR(Virtual Reality:バーチャルリアリティ)
バーチャルリアリティは、コンピュータ上に仮想的な世界を作り出し、実際にその空間にいるような体験をさせる技術です。
AR
AR(Augmented Reality:拡張現実)
ARは、実際の環境を捉えているカメラ映像(現実の映像)などに、コンピュータが作り出す情報(仮想の情報)を重ね合わせて表示することによって、拡張された現実の環境を体感できる技術です。
(ITパスポート 平成28年春 問100より)
次のような、ARの例が試験に出題されました。
実際には存在しない衣料品を仮想的に試着したり、過去の建築物を 3次元 CGで実際の画像上に再現したりする。
(応用情報技術者 平成27年春午前 問25より)
MR
Ver.6.3
MR(Mixed Reality:複合現実)
MRは、現実世界と仮想世界を融合しリアルタイムで相互に影響し合う空間を作り出す技術のことです。
メタバース
Ver.6.3
メタバースとは、ユーザー間で「コミュニケーション」が可能な、インターネット等のネットワークを通じてアクセスできる、仮想的なデジタル空間を指します。
(「Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会」 中間とりまとめ より)
ポリゴン
3DCG(3次元コンビュータグラフィクス)において、閉じた立体となる多面体を構成したり、2次曲面や自由曲面を近似するのに用いられたりする基本的な要素です。
4K/8K
Ver.4.0
4K/8Kは、水平(横)方向の画素数を指していて、高精細な映像の規格です。
横方向の画素数が、4K→4000、8K→8000
プロジェクションマッピング
プロジェクションマッピングは、プロジェクター(光を照射して、コンピュータの画像や映像をスクリーンなどに映し出す装置)で、建築物などの凹凸のある壁面に映像を投影する手法です。
対象物が動いたり、変形したり、または自ら光を放つような、さまざまな視覚効果を出すことができます。
問題をチェック! R2年 問83
まとめ
【出題傾向】
「情報メディア」から、1問程度(テクノロジ系45問中)出題されます。
なお、平成6年過去問題(公開)には、ありませんでした。
【学習ポイント】
・マルチメディア技術
→データ変換、動画表現など、関係の深い用語のセットごとに、特徴や違いを確認して用語を覚えましょう。
・マルチメディア応用
→画質、グラフィックソフトウェアなど、関係の深い用語のセットごとに、特徴や違いを確認して用語を覚えましょう。
【重要用語】
新しい用語がたくさんあります。
この分野の過去問題が極めて少ないので、それぞれの用語を覚える学習が大切です。
コメント