問題(令和7年 問5)
A社ではB商品の仕入れと販売を行っている。ある期のB商品の仕入単価は期首から上昇し続け、期末が最も高くなった。当該期の売上原価を“期首棚卸高+当期商品仕入高一期末棚卸高”で計算するとき、期末棚卸高の計算に期末の仕入単価を用いると、B商品の期末棚卸高及び売上原価は、期中の仕入単価の平均値を用いる場合に比べてどのようになるか。
解き方(令和7年 問5)
「A社ではB商品の仕入れと販売を行っている。」のイメージ
最初に、問題の背景をつかみましょう。
A社が、商品Bを生産工場から仕入れて、各小売店に商品Bを販売している様子をイメージしてみました。

「ある期のB商品の仕入単価は期首から上昇し続け、期末が最も高くなった。」を読み解く
問題文にある「ある期のB商品の仕入単価は期首から上昇し続け、期末が最も高くなった。」を図に表しました。
問題の最後に出てくる「期中の仕入単価の平均値」が、「期末の仕入単価」より低くなることが図からはっきりわかります。

「期首棚卸高」、「当期商品仕入高」、「期末棚卸高」とは
「棚卸し」は、企業が保有する在庫や資産の数量や状態を確認することを指します。

「棚卸高」は、商品の在庫を示す金額です。棚卸高=仕入単価×在庫数量です。
「期首棚卸高」とは、期首時点で売れ残っていた商品の在庫を示す金額です。
「期末棚卸高」とは、期末時点で売れ残っている商品の在庫を示す金額です。
「当期商品仕入高」は、商品Bを仕入れた費用です。
期末棚卸高を考える
数量が同じなので、仕入単価が高い方が棚卸高も高くなります。

期末棚卸高は、期中の仕入単価の平均値を用いる場合に比べて上がります。
売上原価を考える
「当該期の売上原価を“期首棚卸高+当期商品仕入高一期末棚卸高”で計算する」とあるので、図の赤い部分が売上原価になります。

売上原価は、期中の仕入単価の平均値を用いる場合に比べて下がります。
まとめ
期末棚卸高は、期中の仕入単価の平均値を用いる場合に比べて上がり、売上原価は、期中の仕入単価の平均値を用いる場合に比べて下がるので、
「期末棚卸高は上がり、売上原価は下がる。」とある、ウ が正解です。
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