令和6年 問7
システム開発の上流工程において、業務プロセスのモデリングを行う目的として、最も適切なものはどれか。
正解の理由(令和6年 問7)
モデリングは、業務をシステム化する際に、業務の流れや構造などを抽象化して図で表し、全体像をわかりやすくする技法の一つです。
複雑なシステム要求を明確にするために、構成要素などが持っている不要な性質などの情報を削り落とし、それぞれの関係性や相互作用などの本質的な部分に焦点を当てて、情報を正しく確実に伝えるために行います。
イ 「業務プロセスを可視化することによって、適切なシステム設計のベースとなる情報を整備し、関係者間で解釈を共有できるようにするため」とあるので、モデリングを行う目的として適切です。
よって、正解は イ です。
不正解の理由(令和6年 問7)
ア 「データ間の相関関係や隠れたパターンなどを見いだすため」とあるので、データマイニングの目的です。
データマイニングとは、ニューラルネットワークや統計解析などの手法を使って、大量に蓄積されているデータから、特徴あるパターンを探し出す技術です。
ウ 「個々の従業員がもっている業務に関する知識・経験やノウハウを社内全体で共有し」とあるので、ナレッジマネジメントの目的です。
ナレッジマネジメントとは、従業員の創造性、行動能力や知恵、データベース上に蓄積された知識や情報をばらばらなものとしてではなく、結合した経営資源として活用を図る経営手法です。
エ 「プロジェクトの目的の達成に向けて一致団結させるため」とあるので、キックオフミーティングの目的です。
キックオフミーティングとは、主要な内容について、何をいつまでに達成するのかなど、関係者が認識を合わせる機会、場のことを言います
令和6年 問16
RPAが適用できる業務として、最も適切なものはどれか。
正解の理由(令和6年 問16)
RPAは、人間が行っていた定型的な事務作業を、ソフトウェアのロボットに代替させることによって、自動化や効率化を図る手段です。
(ITパスポート 令和2年 問29より)
イ 「交通機関利用区間情報と領収書データから精算伝票を作成する業務」は、定型的な事務作業です。
よって、正解は イ です。
不正解の理由(令和6年 問16)
ア RPAはソースコードの生成ができないので、「プログラムを自動で改善する業務」には適していません。
ウ RPAはソフトウェアのロボットによる事務作業の自動化なので、「産業用ロボットを用いて冷凍食品を自動で製造する業務」には適していません。
エ RPAはデータマイニングのためのソフトでないので、「新たな法則を見つける業務」には適していません。
令和6年 問22
インターネットを介して個人や企業が保有する住宅などの遊休資産の貸出しを仲介するサービスや仕組みを表す用語として、最も適切なものはどれか。
正解の理由(令和6年 問22)
シェアリングエコノミーは、利用者と提供者をマッチングさせることによって、個人や企業が所有する自動車、住居、衣服などの使われていない資産を他者に貸与したり、提供者の空き時間に買い物代行、語学レッスンなどの役務を提供したりするサービスや仕組みです。
(ITパスポート 令和2年 問31より)
sharing(シェアリング)には「共有すること」、economy(エコノミー)には「経済」という、意味があります。
問題に「個人や企業が保有する住宅などの遊休資産の貸出しを仲介するサービスや仕組みを表す用語」とあるので、シェアリングエコノミーが適切です。
よって、正解は ウ です。
不正解の理由(令和6年 問22)
ア シェアードサービスとは、人事や経理、総務などの業務を標準化して企業グループ内の1か所に集約することによって、グループ全体の間接業務のコスト削減に貢献するサービスです。
イ シェアウェアとは、定められた無料試用期間の後、継続して利用する場合は、所定の金額を開発者に支払う方式のソフトウェアのことです。
(初級シスアド 平成21年春 問78より)
エ ワークシェアリングは、従業員 1人当たりの労働時間を短縮したり仕事の配分方法を見直したりするなど、労働者間で労働を分かち合うことで雇用維持・創出を図ることです。
(応用情報 平成29年春午前 問74より)
令和6年 問23
A社はRPAソフトウェアを初めて導入するに当たり、計画策定フェーズ、先行導入フェーズ、本格導入フェーズの3段階で進めようと考えている。次のうち、計画策定フェーズで実施する作業として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
a RPAソフトウェアの適用可能性を見極めるための概念検証を実施する。
b RPAソフトウェアを全社展開するための導入と運用の手順書を作成する。
c 部門、業務を絞り込んでRPAソフトウェアを導入し、効果を実測する。
正解の理由(令和6年 問23)
RPAソフトウェアは、人間が行っていた定型的な事務作業を、各種ソフトウェアを連携させて自動化や効率化を図るソフトウェアです。.
計画策定フェーズとは、いつ、何を、どのようにするかなど、計画をたてる段階のことです。
この問題では、RPAソフトウェアを使って、現状の業務の事務作業をRPAソフトウェアに代替させるにあたり、いつ、何を、どのようにするかなど、計画をたてる段階を指します。
a 「RPAソフトウェアの適用可能性を見極めるための概念検証を実施する。」を言い換えると、「人間が行っていた定型的な事務作業をRPAソフトウェアを使って代替することが実現可能か確かめる」ことなので、計画策定フェーズの作業として適切です。
b 「全社展開するため」とあるので、本格導入フェーズの作業です。
c 「部門、業務を絞り込んで」「効果を実測する。」とあるので、先行導入フェーズの作業です。
よって、a だけが計画策定フェーズで実施する作業として適切なので、正解は ア です。
令和6年 問31
顧客との個々のつながりを意識して情報を頻繁に更新するSNSなどのシステムとは異なり、会計システムのように高い信頼性と安定稼働が要求される社内情報を扱うシステムの概念を示す用語として、最も適切なものはどれか
正解の理由(令和6年 問31)
SoR(Systems of Record)とは、記録を目的とした情報システムです。
Recordには、記録という意味があります。
問題に「会計システムのように高い信頼性と安定稼働が要求される社内情報を扱うシステムの概念」とあるので、SoRが適切です。
よって、正解は エ です。
不正解の理由(令和6年 問31)
ア IoT (Internet of Things)は、コンピュータなどの情報通信機器だけでなく様々なものに通信機能をもたせ、インターネットに接続することによって自動認識や遠隔計測を可能にし、大量のデータを収集・分析して高度な判断サービスや自動制御を実現することです。
(基本情報 平成28年春午前 問65より)
イ PoC (Proof of Concept)は、新しい概念やアイディアの実証を目的とした、開発の前段階における検証のことです。
(ITパスポート 令和2年 問28より)
ウ SoE (Systems of Engagement)は、データの活用を通じて、消費者や顧客企業とのつながりや関係性を深めることを目的とした情報システムです。
(応用情報 令和2年秋午前 問72より)
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