覚えておきたい
[利益]=[売上]-[費用]
覚えておきたい
[売上]=[単価]×[数量]
覚えておきたい
[費用]=[固定費]+[変動費]
覚えておきたい
固定費は、売上に関係なく、常に一定の期間で発生する費用です。
覚えておきたい
変動費は、売上や生産量、販売数に比例して増減する費用です。
[変動費]=[1個あたりの変動費]×[個数]
問題(令和7年 問34)
ある商品を5,000個販売したところ、売上げが6,000万円、利益が400万円となった。
商品1個当たりの変動費が7,000円であるとき、利益を1,000万円以上にするためには、少なくともあと何個販売すればよいか。
ア 500
イ 1,200
ウ 6,200
エ 7,500
解き方(令和7年 問34)
「求めるもの」と「条件」を確認する
【求めるもの】 利益を1000万円以上にするために、追加して販売する商品の個数(Nとします) です。 先に5000個を販売しているので、全部の販売個数は、5000+Nになります。(注意!) |
【条件】 ・販売 5,000個のとき、売上げ 6,000万円 ・販売 5,000個のとき、利益 400万円 ・商品1個当たりの変動費 7,000円 ・利益 1000万円以上 |
方針をたてる
「利益を1000万円以上にする」とあるので、次の式が成り立ちます。 1000(万円) =[売上]-[費用] そして、「売上」、「費用」をN(追加して販売する商品の個数)を使って表します。 最後に、式を解いてNを求めます。 |
問題を解く
「売上」について考える |
[売上]=[単価]×[数量]なので、Nを使って表すと次式になります。 [売上]=[単価]×(5000+N) 次は、単価を求めましょう。 |
条件「販売 5,000個のとき、売上げ 6,000万円」から「単価」を求める |
式[売上]=[単価]×[数量]に、条件を入れます。 6,000(万円)=[単価]×5,000(個) 式を解くと、 [単価]= 1.2(万円) 次は、「単価」から「売上」を求ましょう。 |
求めた単価を使って、「売上」を表す |
[売上]=[単価]×[数量] [売上]= 1.2 × (5000+N)(万円) 次は、「費用」について考えましょう。 |
「費用」について考える |
「費用」については、次式が成り立ちます。 [費用]=[固定費]+[変動費] 固定費と変動費を分けて考えましょう。 |
条件から「固定費」を考える |
固定費は、売上に関係なく、常に一定の期間で発生する費用です。 条件「販売 5,000個のとき、売上げ 6,000万円」、「販売 5,000個のとき、利益 400万円」から、 400(万円) = 6,000(万円) -[費用] [費用]= 5,600(万円) [費用]=[固定費]+[変動費]なので、条件「商品1個当たりの変動費 7,000円(= 0.7万円)」から 5,600(万円) =[固定費]+ 0.7(万円) × 5,000(個) [固定費]= 5,600-3.500 = 2.100(万円) 次に、変動費を考えましょう。 |
条件から「変動費」を考える |
条件「商品1個当たりの変動費 7,000円(= 0.7万円)」から、 [変動費]= 0.7 × (5000+N)(万円) |
求めた「固定費」、「変動費」を使って、「費用」を表す |
[費用]=[固定費]+[変動費] [費用]= 2.100(万円) + 0.7 × (5000+N)(万円) |
求めた「売上」、「費用」を、式:1000(万円) =[売上]-[費用]に代入する |
1000(万円) =[売上]-[費用] 1,000 = 1.2 × (5000+N) - 2.100 - 0.7 × (5000+N) N = 1,200 よって、正解は イ です。 |
こんな勘違いしていませんか?(令和7年 問34)
ア 500 |
1000(万円) =[売上]-[費用] 条件「販売 5,000個のとき、売上げ 6,000万円」、「販売 5,000個のとき、利益 400万円」から、 400(万円) = 6,000(万円) -[費用] [費用]= 5,600(万円) 1000(万円)=[売上]- 5,600(万円) [売上]= 6,600(万円) 条件「販売 5,000個のとき売上げ 6,000万円」から、 6,000(万円)=[単価]×5,000(個) [単価]= 1.2(万円) [売上]=[単価]×[数量]だから、 [数量]=6,600(万円)/1.2(万円)=5,500(個) 先に販売した5,000(個)を引いて、追加の個数は500(個) |
ここが勘違い! 個数が変わると、費用が変わります。 条件「販売 5,000個のとき、売上げ 6,000万円」「販売 5,000個のとき、利益 400万円」から求めた費用を、異なる個数の場合の費用に当てはめることはできません。( の部分) |
ウ 6,200 |
販売する商品の個数をNとします。 正解と同じ手順で問題をとくと、 N=6,200 |
ここが勘違い! 求めるものは、利益を1000万円以上にするために、「追加して販売する商品の個数」 です。 全部の販売個数では、ありません。( の部分) この場合、先に販売した分の5,000個を、最後に引く必要があります。 |
エ 7,500 |
条件「5,000個のとき、利益 400万円」より、 1個当たりの利益は、800円 1000万円÷800(円) = 7500(個) |
ここが勘違い! 固定費は一定なので、販売する商品の数量が増えると、1個当たりの固定費は低くなり、逆に、1個当たりの利益は高くなります。 数量によって1個当たりの利益が変わる場合、全体の利益を1個当たりの利益で割って、数量を求めることはできません。( の部分) |
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