ネットで、「ITパスポートは意味がない」と目にすることがあります。
確かに、ITパスポートを持っていても特定の仕事に就けるわけでもなく、また、合格者が多いので他の人との差別化もできそうにありません。
しかし、ITパスポートを取ろうとした意思やその過程は、その人のオリジナルなはずです。
そこで、努力を無駄にしないために、ITパスポートで自分自身をアピールする方法を紹介します。
ここで紹介する方法は、みちともの転職経験と高校生の就職・進学指導経験に基づく例であり、ご覧いただいている方の就職活動における今後の成功を保証するものではありません。ご自身の学習意欲の向上やアピールポイントの検討にお役立てください。
ITパスポートの合格者はどれくらい?
令和6年度 ITパスポート試験(全国) | |||||||
![]() | 合格者数 | ||||||
134617 人 | |||||||
令和5年度より、約1300人増加 | |||||||
合格率 | |||||||
49.1 % | |||||||
令和5年度より、約1%低下 |
令和6年度、全国で13万4千人以上がITパスポートに合格しています。
しかも、合格率は49%です。
二人にひとりがITパスポートに合格していて、しかも、年間の合格者が10万人を超えているので、一見、ITパスポート合格の価値が薄いように思えます。
地方で、合格者は少ない

ITパスポート合格者を地域別に見ると、大幅に偏っています。
東京、千葉、埼玉、神奈川、愛知、大阪の6都府県で63%を占めています。
他は、41道府県合わせて37%です。
ITパスポートの合格者が多いというのは大都市での感覚であり、実態は、地方で合格者(受験者)が少ないです。
ITパスポートの知識が求められるのは、日本中どこでも

マイナンバーカードの保険証利用、キャッシュレス決済の拡大、自治体による行政手続きのオンライン化や金融機関のDXなど、地域に関係なく、私たちの生活に密着したサービスのデジタル化が急速に進んでいます。
そのため、日本中、どこでもITパスポートの知識がある(DXに対応できる)人材が求められています。
「合格者が多いので他の人との差別化もできそうにない」のは、東京などの大都市でのことであり、他の地域では、ITパスポートで自分自身をアピールするチャンスは十分あるでしょう。
自分の地域では?
地図にカーソルを当てると、県別に、昨年度の合格者数が表示されます。
あなたの住んでいる地域で、昨年度、ITパスポートに何人合格したか調べてみましょう。
ITパスポートで何をアピールかが大切
「ITの知識」は基礎的レベル
IPA(ITパスポート試験の主催団体)のホームページには、次のようにあります。
iパスは、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。
具体的には、新しい技術(AI、ビッグデータ、IoT など)や新しい手法(アジャイルなど)の概要に関する知識をはじめ、経営全般(経営戦略、マーケティング、財務、法務など)の知識、IT(セキュリティ、ネットワークなど)の知識、プロジェクトマネジメントの知識など幅広い分野の総合的知識を問う試験です。
(【ITパスポート試験】iパスとは (ipa.go.jp)より)
「ITの知識」のアピールは、やめておいたほうがいい!
ITパスポートは、IT技術者としての知識レベルを証明するものではありません。
さりげなく、情報技術に関して、社会人としての常識的な知識があることを示しています。
そのため、大学生や社会人が「ITの知識」をアピールするのは、やめておいた方がいいでしょう。
確かに高校生にとっては、ITパスポートは十分にレベルが高いです。
それでも、ITパスポートで「ITの知識」をアピールするのはお勧めしません。
「自主性」や「計画性」をアピールするのがいい!
仕事にはさまざまな業務があり、求められる資格や知識も無数にあります。
現在持っている資格や知識が業務に役立つことはあっても、それだけで、十分なことはほとんどないです。
そのため、採用・入試担当は、「入社・入学後に、自ら必要な知識を学び、能力を高めることができるか?」に注目します。
ITパスポートを使って、自分自身の「自主性」や「計画性」をアピールするといいでしょう。(高校生から社会人まで共通です。)

まとめ
これまでの内容をまとめると、次のようになります。
ITパスポートの合格者が多いというのは大都市での感覚であり、実態は、地方で合格者(受験者)が少ないです。
「合格者が多いので他の人との差別化もできそうにない」のは、東京などの大都市でのことであり、他の地域では、ITパスポートで自分自身をアピールするチャンスは十分あるでしょう。
ただし、「ITの知識」は基礎的レベルです。「ITの知識」をアピールするのは、やめておいた方がいいでしょう。
しかし、採用・入試担当は、「入社・入学後に、自ら必要な知識を学び、能力を高めることができるか?」に注目します。
ITパスポートを使って、自分自身の「自主性」や「計画性」をアピールするといいでしょう。
次は、ITパスポートについて、もっと知りましょう。
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