ネットで、「ITパスポートは意味ない」と目にすることがあります。
確かに、ITパスポートを持っていても特定の仕事に就けるわけでもなく、また、合格者が多いので他の人との差別化もできそうにありません。
しかし、ITパスポートを取ろうとした意思やその過程は、その人のオリジナルなはずです。
そこで、努力を無駄にしないために、ITパスポートで自分自身をアピールする方法を紹介します。
ここで紹介する方法は、みちともの転職経験と高校生の就職・進学指導経験に基づく例であり、ご覧いただいている方の就職活動における今後の成功を保証するものではありません。ご自身の学習意欲の向上やアピールポイントの検討にお役立てください。
ITパスポートは意味がない?
合格者数はどれくらい?
令和5年度 ITパスポート試験(全国) | |||||||
合格者数 | |||||||
133292 人 | |||||||
合格率 | |||||||
50 % |
令和5年度、全国で13万3千人がITパスポートに合格しています。
しかも、合格率は50%です。
これだけを見ると、ITパスポートの価値が薄いように思えます。
地域別に見てみると?
では、もう少し掘り下げて、ITパスポート合格者を地域別に見てみましょう。
色の濃い地域が合格者の多い地域です。
知りたい地域にカーソルを当てると、合格者数が表示されます。
地方で、合格者(受験者)は少ない
ITパスポート合格者を地域別にいると、大幅に偏っています。
東京、千葉、埼玉、神奈川、愛知、大阪の6都府県で63%を占めていて、他の41道府県合わせて37%です。
ITパスポートの合格者が多いというのは大都市での感覚であり、実態は、地方で合格者(受験者)が少ないです。
日本中、どこでもDXが進む
マイナンバーカードの保険証利用、キャッシュレス決済の拡大、自治体による行政手続きのオンライン化や金融機関のDXなど、地域に関係なく、私たちの生活に密着したサービスのデジタル化が急速に進んでいます。
そのため、ITパスポートの価値が下がるどころか、むしろ、セキュリティや新しい技術の基礎知識のある人材が急速に必要になり、ITパスポートの価値が上がっていると言えるでしょう。
「合格者が多いので他の人との差別化もできそうにない」のは、東京などの大都市でのことであり、他の地域では、ITパスポートで自分自身をアピールするチャンスは十分あるでしょう。
そのため、「ITパスポートは意味がある」と思います。
ITパスポートの活用法~自分自身の何をアピール?
ITパスポートの知識は基礎的レベル
IPA(ITパスポート試験の主催団体)のホームページには、次のようにあります。
iパスは、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。
具体的には、新しい技術(AI、ビッグデータ、IoT など)や新しい手法(アジャイルなど)の概要に関する知識をはじめ、経営全般(経営戦略、マーケティング、財務、法務など)の知識、IT(セキュリティ、ネットワークなど)の知識、プロジェクトマネジメントの知識など幅広い分野の総合的知識を問う試験です。
(【ITパスポート試験】iパスとは (ipa.go.jp)より)
「ITの知識」のアピールは、やめておいたほうがいい!
ITパスポートは、IT技術者としての知識レベルを証明するものではありません。
さりげなく、社会人としての常識的な知識があることを示す程度です。
そのため、大学生や社会人が「ITの知識」をアピールするのは、やめておいた方がいいでしょう。
確かに高校生にとっては、ITパスポートは十分にレベルが高いです。
それでも、ITパスポートで「ITの知識」をアピールするのをお勧めしません。
「自主性」や「計画性」をアピールするのがいい!
仕事にはさまざまな業務があり、求められる資格や知識も無数にあります。
現在持っている資格や知識が業務に役立つことはあっても、それだけで、十分なことはほとんどないです。
そのため、採用・入試担当は、「入社・入学後に、自ら必要な知識を学び、能力を高めることができるか?」に注目します。
ITパスポートを使って、自分自身の「自主性」や「計画性」をアピールするといいでしょう。(高校生から社会人まで共通です。)
まとめ
これまでの内容をまとめると、次のようになります。
ITパスポートの合格者が多いというのは大都市での感覚であり、実態は、地方で合格者(受験者)が少ないです。
「合格者が多いので他の人との差別化もできそうにない」のは、東京などの大都市でのことであり、他の地域では、ITパスポートで自分自身をアピールするチャンスは十分あるでしょう。
ただし、ITパスポートの知識は、基礎的レベルです。「ITの知識」をアピールするのは、やめておいた方がいいでしょう。
しかし、採用・入試担当は、「入社・入学後に、自ら必要な知識を学び、能力を高めることができるか?」に注目します。
ITパスポートを使って、自分自身の「自主性」や「計画性」をアピールするといいでしょう。
次は、ITパスポートについて、もっと知りましょう。
コメント