令和5年 問12
スマートフォンに内蔵された非接触型ICチップと外部のRFIDリーダーによって、実現しているサービスの事例だけを全て挙げたものはどれか。
a 移動中の通話の際に基地局を自動的に切り替えて通話を保持する。
b 駅の自動改札を通過する際の定期券として利用する。
c 海外でも圏内と同じ電子メールなどのサービスを利用する。
d 決済手続情報を得るためにQRコードを読み込む。
正解の理由(令和5年 問12)
RFIDは、無線通信でRFタグのデータを読み込んだり書き換えたりすることができるシステムです。
a 「移動中の通話の際に基地局を自動的に切り替えて通話を保持する。」は、ハンドオーバの事例です。
ハンドオーバは、移動しながら携帯電話などの無線端末を使うとき、基地局が自動で切り変わって通信が途切れない動作のことです。
b 「駅の自動改札を通過する際の定期券として利用する。」は、非接触型ICチップと外部のRFIDリーダーによるサービスの事例です。
c 「海外でも圏内と同じ電子メールなどのサービスを利用する。」は、ローミングの事例です。
ローミングは、契約している通信事業者のサービスエリア外でも、他の事業者のサービスによって携帯電話端末を使用できるようにするしくみ、サービスです。
d 「決済手続情報を得るためにQRコードを読み込む。」は、QRコードの事例です。
よって、非接触型ICチップと外部のRFIDリーダーによるサービスの事例は b だけで、正解は ウ です。
令和5年 問16
コールセンターにおける電話応対業務において、 AIを活用し、より有効なFAQシステムを実現する事例として、最も適切なものはどれか。
正解の理由(令和5年 問16)
FAQシステムは、ユーザーや見込み客からよく寄せられる商品やサービスに関する質問を整理して回答を提供し、ユーザーや見込み客が自分で解決したり、カスタマーサポート担当者による回答や支援を助けるシステムです。
ユーザーや見込み客は質問の手間や回答の待ち時間の省略ができて、顧客満足度の向上につながります。また、対応するスタッフの負担も軽減できます。
エ 「質問の音声から感情と内容を読み取って解析」は、AIを活用しないと実現できません。また、「FAQから最適な回答候補を選び出す確度を高める。」ことで、より顧客満足度を高めることが出来ます。
よって、正解は エ です。
令和5年 問21
フリーミアムの事例として、適切なものはどれか。
正解の理由(令和5年 問21)
フリーミアムは、基本的なサービスや製品を無料で提供し、高度な機能や特別な機能については料金を課金するビジネスモデルです。
(基本情報 平成30年秋午前 問73より)
「名刺を個人で登録・管理する基本機能」が無料の部分、「社内関係者との間での顧害情報の共有や人物検索などの追加機能」が課金する部分なので、フリーミアムの事例です。
よって、正解は ウ です。
令和5年 問22
資金決済法における前払式支払手段に該当するものはどれか。
正解の理由(令和5年 問22)
前払式支払手段は、商品券、クオカード、Suica、nanaco、モバイルSuica、PayPay、Amazonギフトなどのように、あらかじめお金を払っておいて、買い物のときに決済するものです。
ウ 「商品券」とあるので、前払式支払手段に該当します。
よって、正解は ウ です。
令和5年 問30
犯罪によって得た資金を正当な手段で得たように見せかける行為を防ぐために、金融機関などが実施する取組を表す用語として、最も適切なものはどれか。
正解の理由(令和5年 問30)
AML(Anti-Money Laundering)は、マネー・ローンダリング(犯罪行為によって得た収益を合法的な手段で得たように見せかけ、また、収益の出どころをわかりにくくする行為)対策です。
問題に「犯罪によって得た資金を正当な手段で得たように見せかける行為を防ぐために」とあるので、AMLが適切です。
よって、正解は ア です。
不正解の理由(令和5年 問30)
イ インサイダー取引規制は、「有価証券の発行会社や公開買付け等の関係者が、(職務等に関し)重要事実を知って、公表前に株式等を売買すること」を規制することです。
ウ スキミングは、クレジットカードやキャッシュカードから情報を不正に読み取る行為です。 読み取った情報を基に偽造カードを作成し、ショッピングや現金の引き出しに使われたりします。
エ フィッシングは、金融機関や公的機関などを装った偽の電子メールを送信するなどして、受信者を架空のWebサイトや実在しているWebサイトの偽サイトに誘導し、暗証番号やクレジットカード番号などの情報を不正に取得する行為です。
(ITパスポート 平成23年秋 問87、ITパスポート 平成28年春 問63より)
令和5年 問34
記述 a ~ c のうち、“人間中心のAI社会原則”において、AIが社会に受け入れられ、適正に利用されるために、社会が留意すべき事項として記されているものだけを全て挙げたものはどれか。
a AIの利用に当たっては、人が利用方法を判断し決定するのではなく、AIが自律的に判断し決定できるように、AIそのものを高度化しなくてはならない。
b AIの利用は、憲法及び国際的な規範の保障する基本的人権を侵すものであってはならない。
c AIを早期に普及させるために、まず高度な情報リテラシーを保有する者に向けたシステムを実現し、その後、情報弱者もAIの恩恵を享受できるシステムを実現するよう、段階的に発展させていかなくてはならない。
正解の理由(令和5年 問34)
人間中心のAI 社会原則は、「AI-Ready な社会」を実現し、AI の適切で積極的な社会実装を推進するための、各ステークホルダーが留意すべき基本原則です。
AI-Ready な社会とは、「AI の恩恵を享受している社会」、または、「必要な時に直ちに AI を活用できる社会」を言います。
社会実装とは、研究成果が製品として市場に普及したり、行政サービスに反映されることです。
ステークホルダとは、利害関係者です。この場合、ほとんどすべての人です。
a 人間中心のAI社会原則には、「AIの利用にあたっては、人が自らどのように利用するかの判断と決定を行うことが求められる。」とあり、「AIが自律的に判断し決定できるように、 AIそのものを高度化しなくてはならない。」は、社会が留意すべき事項ではありません。
b 「AIの利用は、憲法及び国際的な規範の保障する基本的人権を侵すものであってはならない。」は、社会が留意すべき事項です。
c 人間中心のAI社会原則には、「AI の設計思想の下において、人々がその人種、性別、国籍、年齢、政治的信念、宗教等の多様なバックグラウンドを理由に不当な差別をされることなく、全ての人々が公平に扱われなければならない。」とあります。
「AIを早期に普及させるために、まず高度な情報リテラシーを保有する者に向けたシステムを実現し、その後、情報弱者もAIの恩恵を享受できるシステムを実現するよう、段階的に発展させていかなくてはならない。」は、記載されていません。
よって、社会が留意すべき事項として記載されているのは b だけで、正解は ウ です。
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