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【ITパスポート計算問題の解き方】与信管理をていねいに解説

【ITパスポート計算問題の解き方】与信管理をていねいに解説 特集

与信管理の問題についての解説です。

令和元年以降、この分野からの過去問題(公開)は1問だけです。

念のため、解き方を確認しておきましょう。

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はじめに確認しておきましょう。

次の用語は問題文に出てくるので、意味を覚えておきましょう。

覚えておきたい

与信は、信用を供与することを指します。企業が取引を行う際に、製品の納品やサービスの提供の代金が支払われるまでの猶予を与えることです。

与信管理は、売掛金等が回収不能となるリスクを管理することです。

与信の余力=(与信限度額)-(すでに支払いを猶予している金額)-(受注残)

与信限度額は、代金の支払いを猶予できる金額です。

売掛金は、売上が発生しているものの、まだ回収できていない状態の代金です。

手形は、記載された金額を、定められた期日までに支払うことを約束した証書です。

受注残は、取引先から注文を受けたものの、まだ納品・出荷していない商品です。部品の発注や生産の費用を回収できないリスクがあります。

令和4年 問11

与信限度額が3,000万円に設定されている取引先の5月31日業務終了時までの全取引が表のとおりであるとき、その時点での取引先の与信の余力は何万円か。ここで、受注分も与信に含めるものとし、満期日前の手形回収は回収とはみなさないものとする。

取引日付取引内訳取引金額備考
取引①4/2
5/31
売上計上
現金回収
400万円
400万円
取引②4/10
5/10
売上計上
手形回収
300万円
300万円

満期日:6/10
取引③5/15売上計上600万円
取引④5/20受注200万円

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正解の理由(令和4年 問11)

(1) 「求めるもの」と「条件」を確認します。

【求めるもの】
 5月31日業務終了時の取引先の与信の余力
→5月31日時点で取引先に代金の支払いを猶予できる金額

与信とは「信用を供与すること」を指します。

企業が取引を行う際に、製品の納品やサービスの提供の代金が支払われるまでの猶予を与えることを指します。

信用にもとづいて、取引先への販売額に限度額(与信限度額)を設けたりします。

【条件(文中にあるもの)】
・与信限度額 3,000万円
・受注分も与信に含める。
・満期日前の手形回収は回収とはみなさない。

(2) 与信の余力を求める式を確認します。

与信の余力=(与信限度額)-(すでに支払いを猶予している金額)-(受注残)

与信限度額:代金の支払いを猶予できる金額

すでに支払いを猶予している金額として、売掛金、手形があります。

売掛金:売上が発生しているものの、まだ回収できていない状態の代金

手形:記載された金額を、定められた期日までに支払うことを約束した証書

受注残:取引先から注文を受けたものの、まだ納品・出荷していない商品(部品の発注や生産の費用を回収できないリスクがあります。)

(3) 売掛金を計算します。

取引日付取引内訳取引金額備考
取引①4/2
5/31
売上計上
現金回収
400万円
400万円
取引②4/10
5/10
売上計上
手形回収
300万円
300万円

満期日:6/10
取引③5/15売上計上600万円
取引④5/20受注200万円

5月31日時点で売上が計上され、まだ手形が回収されていない取引は、取引③です。

そのため、売掛金は600万 です。

(4) 満期日前の手形を計算します。

手形で支払われている取引は、取引②です。

取引日付取引内訳取引金額備考
取引①4/2
5/31
売上計上
現金回収
400万円
400万円
取引②4/10
5/10
売上計上
手形回収
300万円
300万円

満期日:6/10
取引③5/15売上計上600万円
取引④5/20受注200万円

満期日が6月1日なので、満期日前の手形は300万円 です。

(5) 受注残を計算します。

受注してまだ売り上げていない取引は、取引④です。

取引日付取引内訳取引金額備考
取引①4/2
5/31
売上計上
現金回収
400万円
400万円
取引②4/10
5/10
売上計上
手形回収
300万円
300万円

満期日:6/10
取引③5/15売上計上600万円
取引④5/20受注200万円

そのため、受注残は200万円 です。

(6) 与信の余力を計算します。

与信の余力
= [与信限度額]-[すでに支払いを猶予している金額]-[受注残]
= [与信限度額]-{[売掛金]+[満期日前の手形]}-[受注残]
= 3000 -( 600 + 300 )- 200
= 1900(万円)

よって、正解は  です。

ここまで、与信管理の問題を解説しました。

結局、取引の中で現金がまだ入っていない金額を合計し、与信限度額から引くと正解できる問題でした。

繰り返し練習し、考え方を身につけましょう。

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(令和4年 問11)
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