
シラバスが変わって「前より難しくなった。」って、みんな言っているけど、受けるのどうしようかなあ。

ちょっと待って! IPAの統計資料と過去問題(公開)で確かめてみようね。
この1年の合格率は平均49.1% シラバス変更の影響は見られない。
試験の主催者(IPA)が発表した統計資料から、受験者数と合格率をグラフにしました。

全体の傾向
合格率に大きな変化はなく、平均49.1%です。
シラバス切り替えの影響は、合格率に表れるほど、大きくなかったようです。
ただし、最近の過去問題を分析すると新出用語が多く出ているので、シラバスの新出用語対策は必要でしょう。
なお参考に、受験者数がITパスポート試験と同じくらいの日商簿記3級(ネット受験、2024年4月~2024年12月)では、合格率 39.1% でした。
3月 合格率 低下
3月の合格率が下がっています。
ITパスポート試験では、受験者が増えると、合格率が下がる傾向があります。
年度末で、準備不足のまま突破を試みる受験者が増えたため、合格率が低下したものと考えられます。
令和7年過去問題(公開)の出題傾向
令和7年過去問題(公開)を分類して、出題傾向を調べました。
試験問題を次の3つに分類しました。
以前からシラバスにある用語の問題
シラバス3以前からあった用語の問題です。
過去(公開)問題に多くあり、よく目にしているので、試験でも自信を持って答えられることが多いです。
シラバスの新出用語の問題
シラバス4以降の新出用語の問題です。
出題例が少ないため、対策が手薄になりやすいです。試験の時に不安が多い問題です。
シラバスにない用語の問題
極めて出題例が少ないため、対策がほとんどできません。試験で、とても不安になる問題です。
ストラテジ系:シラバス6.0以降の用語の問題が増えた
過去問演習で対策しやすい | 過去問演習だけでは対策しにくい | |
以前からある用語の問題 | 新出用語の問題 | シラバスにない用語の問題 |
16問 | 16問 | 3問 |
1問 増 | (4.0 3問) 3問 減 | 3問 減 |
(5.0 5問) 1問 減 | ||
(6.0/6.2/6.3 8問) 6問 増 |
過去問演習だけでは対策しにくい「新出用語の問題+シラバスにない用語の問題」の方が、「以前からある用語の問題」より多い
ストラテジ系の全体傾向は、令和6年と変わっていません。
これまでと同じように、過去問題演習だけでなく、新出用語の学習が重要です。
シラバス6.0/6.2/6.3の用語の問題が大幅に増えた
過去問題を詳細に分析すると、シラバス6.0/6.2/6.3の問題が大幅に増えていました。
特に、シラバス6.0以降の新出用語を選んで、用語の意味を覚えたり、問題演習を重点的に行うと効率がいいです。
マネジメント系:新出用語の問題が増えた
過去問演習で対策しやすい | 過去問演習だけでは対策しにくい | |
以前からある用語の問題 | 新出用語の問題 | シラバスにない用語の問題 |
11問 | 6問 | 3問 |
4問 減 | (4.0 4問) 2問 増 | |
(5.0 0問) | ||
(6.1 2問) 2問 増 |
「以前からある用語の問題」と「新出用語の問題+シラバスにない用語の問題」がほぼ半々
シラバス6.0/6.2/6.3の用語の問題が大幅に増えた
令和6年までは、「以前からある用語の問題」が7割以上占めていましたが、令和7年では傾向が変わりました。
令和7年過去問題(公開)だけなのか判断はつきませんが、少なくとも、今まで以上に、新出用語の対策は必要です。
テクノロジ系は、以前からある用語の問題とシラバス6以降の新出用語が増えた
過去問演習で対策しやすい | 過去問演習だけでは対策しにくい | |
以前からある用語の問題 | 新出用語の問題 | シラバスにない用語の問題 |
28問 | 15問 | 2問 |
5問 増 | (4.0 1問) 1問 減 | 10問 減 |
(5.0 5問) 1問 増 | ||
(6.0/6.2/6.3 9問) 5問 増 |
「以前からある用語の問題」が、「新出用語の問題+シラバスにない用語の問題」より多い
令和6年までは、「新出用語の問題+シラバスにない用語の問題」の問題が多く占めていましたが、令和7年では傾向が変わりました。
「シラバスにない用語の問題」が減り、
- 「以前からある用語の問題」が増えた
- 「シラバス6以降の新出用語の問題」が増えた
1 「以前からある用語の問題」が増えた
「以前からある用語の問題」と言っても、これまで公開された問題に類似したものはわずかでした。
過去問題(公開)は、さまざまな形にアレンジされて本番に出ます。
問題演習するときには、選択肢について、用語の意味や正誤の理由を、ていねいに確認しておきましょう。
2 「シラバス6以降の新出用語の問題」が増えた
シラバスにない用語の問題が減り、シラバス6以降の新出用語の問題が増えました。
シラバス6.0以降の新出用語を選んで、用語の意味を覚えたり、問題演習を重点的に行うと効率がいいです。
ITパスポートをあきらめるのはもったいない
これまで、合格率や出題傾向を見てきましたが、一般に言われているほど、大きく変化していません。
さまざまな意見はありますが、これまで通り、「ITパスポート試験は、多くの人が合格をねらえる国家試験」であることは間違いないです。
ただし、他の資格試験と同じような「過去問題を何度も繰り返し解く勉強方法」だけでは、合格まで遠回りすることでしょう。
次の記事では、過去問からの出題傾向を明らかにし、効率のよい過去問演習方法を紹介しています。
過去問題演習だけでなく、新出用語対策が重要
これまで見てきたように、ITパスポート試験では、過去問題演習でよく目にして対策しやすい「以前からある用語の問題と、問題が少なくて過去問題演習で対策しにくい「新出用語の問題 + シラバスにない用語の問題」が、だいたい同じくらい出題されます。
過去問題演習は比較的取り組み易く、時間を多く割いてしまいがちです。
そのため、意識して、「新出用語の問題 + シラバスにない用語の問題」の対策をすることが重要です。
次の記事を活用されることをおすすめします。
また、ITパスポート試験はとても広い分野から出題されるので、試験範囲をすべてしっかり勉強することは現実的でありません。
ある程度流す部分としっかり時間をかける部分を間違えないよう、次の記事をご活用ください。
令和7年過去問題(公開)の問題を見てみる
下の項目で、問題を一覧にしました。どんな問題が出ているか見てみましょう。
問題番号 | 新出用語の 問題 | 出題分野 | 過去問題(公開) 出題頻度 | 問題キーワード | |
↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | |
Ver.6.3 | 技術戦略マネジメント | (ほぼ必ず出た) | VRゴーグル |

ITパスポート試験合格を応援しています。
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