令和7年 問4
投資の優先度などの経営の戦略を策定するために、経済価値、希少性、模倣困難性及び組織の四つの要素で評価することによって、自社のもつ資源を分析する手法として、最も適切なものはどれか。
解説(令和7年 問4)
- シラバス:Ver.5.0
- 出題分野: 経営戦略マネジメント
- 過去問題(公開)出題頻度:よく出た
- キーワード:VRIO分析
VRIO分析
その経営資源(企業のもつ技術力、経営管理能力、マーケティング能力、資金調達力、蓄積された種々のノウハウなど)が強みなのか弱みなのか判別するフレームワーク(考え方や方法を体系化したもの)です。観点が、経済価値(Value)、希少性(Rarity)、模倣困難性(Inimitability:インイミタビリティ)、組織(Organization)であることが特徴です。
ア 4P
Product(製品)
Price(価格)
Place(流通)
Promotion(プロモーション、販売促進)
目的:商品・サービスの提供の方法を決める手法です。
イ PPM
Product(製品)
Portfolio(ポートフォリオ)
Management(管理)

経営資源の配分が最も効率的・効果的となる製品・事業相互の組合せを決定する手法です。
ウ SWOT分析

企業の外部や内部の環境を認識し、企業活動の今後の方向性を導き出す手法です。
エ VRIO分析
Value(経済価値)
Rarity(希少性)
Inimitability(インイミタビリティ、模倣困難性)
Organization(組織)
「経済価値、希少性、模倣困難性及び組織の四つの要素で評価する」「自社のもつ資源を分析する手法」とあるので、企業内部の経営資源に着目して経営戦略を検討する手法であるVRIO分析が適切です。
よって、正解は エ です。
令和7年 問14
事業、経営情報に知財情報を組み込んで分析し、現状の俯瞰(ふかん)や将来展望などの分析結果を事業責任者、経営者と共有し、事業戦略文は経営戦略に反映させることを表す用語として、最も適切なものはどれか。
解説(令和7年 問14)
- シラバス:シラ外
- 出題分野: 経営戦略マネジメント
- 過去問題(公開)出題頻度:よく出た
- キーワード:IPランドスケープ
IPランドスケープ
Intellectual(知的)
Property(財産)
Landscape(状況)
自社の経営・事業戦略を定める際に、経営・事業情報に知財情報を取り込ん だ分析を実施。その結果(現状の俯瞰、将来の展望など)を経営者・事業責任者と共有し、結果に対するフィードバックを受けたり、立案検討のための議論や協議を行ったりすることです。
(新時代に挑む知財戦略 IPランドスケープのススメ「旭化成株式会社」-激動の時代を切り開く攻めの知財戦略- 特許庁 広報誌「とっきょ」2021年9月14日発行号 | 経済産業省 特許庁 より)
ア CVC(Corporate Venture Capital)
Corporate(コーポレート:企業の)
Venture(ベンチャー:新興企業)
Capital(キャピタル:資本)
投資が本業でない事業会社が、自社の事業と相乗効果(シナジー)を生むことを期待してベンチャー企業に投資を行うことや、そのための組織です。
イ IPランドスケープ(Intellectual Property Landscape)
「事業、経営情報に知財情報を組み込んで分析し」「現状の備轍や将来展望などの分析結果を事業責任者、経営者と共有」「事業戦略文は経営戦略に反映させる」こととあるので、IPランドスケープが適切です。
ウ MOT(Management of Technology)
Management(経営)
Of
Technology(技術)
MOTは、技術に立脚する事業を行う組織が、技術がもつ可能性を見極めてイノベーションを創出し、経済的価値の最大化を目指す経営の考え方のことです。
(ITパスポート 平成31年春 問14より)
エ SWOT分析

企業の外部や内部の環境を認識し、企業活動の今後の方向性を導き出す手法です。
よって、正解は イ です。
令和7年 問31
ERPシステムの説明として、適切なものはどれか。
解説(令和7年 問31)
- シラバス:Ver.3.0以前
- 出題分野: 経営戦略マネジメント
- 過去問題(公開)出題頻度:ほぼ必ず出た
- キーワード:ERPシステム
ERP(Enterprise Resource Planning)
Enterprise(企業)
Resource(資源)
Planning(計画)

購買、生産、販売、経理、人事などの企業の基幹業務の全体を把握し、関連する情報を一元的に管理することによって、企業全体の経営資源の最適化と経営効率の向上を図ることを指します。
(ITパスポート 平成31年春 問3より)
ア 企業内の個人がもっ営業に関する知識やノウハウを収集し、共有することによって、効率的、効果的な営業活動を支援するシステム
営業活動を支援するシステムであるSFAの説明です。
Sales(販売、営業)
Force(部隊)
Automation(自動化)

イ 経理や人事、生産、販売などの基幹業務と関連する情報を一元管理し、経営資源を最適配分することによって、効率的な経営の実現を支援するシステム
「基幹業務と関連する情報を一元管理し」「効率的な経営の実現を支援するシステム」とあるので、ERPシステムの説明です。適切です。
ウ 原材料の調達から生産、販売に関する情報を、企業間で共有・管理することによって、ビジネスプロセスの全体最適を目指すシステム
原材料の調達、生産、流通を経て消費者に至るまでの一連のSCMの説明です。
Supply(供給)
Chain(連鎖)
Management(管理)

エ 個々の顧客に関する情報や対応履歴などを管理することによって、きめ細かい顧客対応を実施し、顧客満足度の向上を支援するシステム
長期的視点から顧客と良好な関係を築いて、収益の拡大を図るためのシステムであるCRMの説明です。
Customer(顧客)
Relationship(関係)
Management(管理)

よって、正解は イ です。
令和7年 問35
マーケティング戦略の策定プロセスのうち、自社製品の差別化ポイントを明確化するものはどれか。
解説(令和7年 問35)
- シラバス:Ver.3.0以前
- 出題分野: 経営戦略マネジメント
- 過去問題(公開)出題頻度:よく出た
- キーワード:ポジショニング
マーケティング戦略
商品やサービスが売れる仕組みをつくるための方法、手段、アイディアのことです。一般に、マーケティング戦略の策定プロセスに、市場調査とSTP分析があります。
STP分析
市場が求めているニーズ(=価値)を把握し、その求めている価値に対して、どのような立ち位置で売り出していくか、PRしていくかを決定するプロセスです。
次の3段階で行います。
①Segmentation(セグメンテーション)
市場を顧客の特徴ごとに細分化する
②Targeting(ターゲティング)
細分化した市場の中から、ターゲットにする市場を選ぶ
③Positioning(ポジショニング)
ターゲットにした市場の中での自社の立ち位置を決める
ア セグメンテーション
地理、年齢、ニーズ、価値観などの顧客の特徴から市場を細分化します。
イ ターゲティング
セグメンテーションで細分化された市場から、自社が優位性を取れる領域を選びます。
ウ プロモーション
広告、販売促進などのコミュニケーションによって、製品、サービスに対する意識や関心を高め、購買を促進します。
エ ポジショニング
ターゲティングで特定した領域内において、価格や機能性、品質などを軸にして、自社の立ち位置を明確にします。「自社製品の差別化ポイントを明確化する」と一致するので正解です。
正解は エ です。
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