令和6年 問2
情報システムに不正に侵入し、サービスを停止させて社会的混乱を生じさせるような行為に対して、国全体で体系的に防御施策を講じるための基本理念を定め、国の責務などを明らかにした法律はどれか。
正解の理由(令和6年 問2)
サイバーセキュリティ基本法は、サイバーセキュリティに関する施策に関し、基本理念を定め、国や地方公共団体の責務などを定めた法律です。
(ITパスポート 令和2年 問25より)
問題に「情報システムに不正に侵入し、サービスを停止させて社会的混乱を生じさせるような行為」「国全体で体系的に防御施策を講じるための基本理念を定め、国の責務などを明らかにした法律」とあるので、サイバーセキュリティ基本法が適切です。
よって、正解は イ です。
不正解の理由(令和6年 問2)
ア 公益通報者保護法は、労働者が、公益のために通報を行ったことを理由として解雇等の不利益な取扱いを受けることのないよう、どこへどのような内容の通報を行えば保護されるのかという制度的なルールを明確にするものです。
(公益通報ハンドブック(改正法準拠版) (caa.go.jp)より)
ウ 不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)は、不正アクセス行為や、不正アクセス行為につながる識別符号の不正取得・保管行為、不正アクセス行為を助長する行為等を禁止する法律です。
( 不正アクセス行為の禁止等に関する法律|国民のためのサイバーセキュリティサイト (soumu.go.jp)より)
エ プロバイダ責任制限法は、プロバイダ等の損害賠償責任の制限(第2章)及び発信者情報の開示請求等(第3章)及び発信者情報開示命令事件に関する裁判手続(第4章)について定めた法律です。
(総務省|インターネット上の違法・有害情報に対する対応(プロバイダ責任制限法)|プロバイダ責任制限法Q&A (soumu.go.jp) より)
令和6年 問10
不正競争防止法で規定されている限定提供データに関する記述として、最も適切なものはどれか。
正解の理由(令和6年 問10)
限定提供データは、コンビニエンスストアチェーンの売上データや運輸業者の運送量データなど、事業運営に役立つデータであり、提供元が提供先を限定して販売しているデータです。
(応用情報 令和元年秋午前 問63より)
不正競争防止法では、限定提供データについて、次の3要件を定めています。
「業として特定の者に提供する」(限定提供性)
「電磁的方法により相当量蓄積され」(相当蓄積性)
「電磁的方法により管理され」(電磁的管理性)
イ 「特定の第三者に提供する情報として電磁的方法によって相当量蓄積され管理されている技術上又は営業上の情報(秘密として管理されているものを除く)は限定提供データである。」は、限定提供データに関する記述として適切です。
よって、正解は イ です。
不正解の理由(令和6年 問10)
ア 「1回に限定して」は、限定提供データの要件の「業として(何度も繰り返す)」に合いません。よって、不適切です。
ウ 「金庫などで物理的に管理されている」は、限定提供データの要件の「電磁的方法により管理され」に合いません。よって、不適切です。
エ 「営業秘密」は外部に出せないので、限定提供データになりません。よって、不適切です。
令和6年 問11
品質に関する組織やプロセスの運営管理を標準化し、マネジメントの質や効率の向上を目的とした方策として、適切なものはどれか。
正解の理由(令和6年 問11)
ISO9001は、ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)が制定した品質管理及び品質保証のための国際規格です。
ISO9001は、顧客の立場から考慮され、製品の品質保証に加えて、顧客満足の向上をも目指そうとしています。製品やサービスの品質を保証するために仕事のやり方を定める仕組み(品質マネジメントシステム)です。
問題に「品質に関する組織やプロセスの運営管理を標準化し、マネジメントの質や効率の向上を目的とした方策」とあるので、ISO 9001の導入が適切です。
よって、正解は イ です。
不正解の理由(令和6年 問11)
ア ISMS(Information Security Management System)は、情報セキュリティマネジメントシステムのことです。
情報の機密性や完全性、可用性を維持し、情報漏えいなどのインシデント(事故)発生を低減させるためのしくみです。
ウ ITIL(Information Technology Infrastructure Library)は、ITサービスの提供とサポートの管理(サービスマネジメント)について、お手本(ベストプラクティス)をまとめたものです。
エ プライバシーマークは、個人情報の適切な保護のための体制を整備している事業者を認定する制度です。
令和6年 問18
コーポレートガバナンスを強化した事例として、最も適切なものはどれか。
正解の理由(令和6年 問18)
コーポレートガバナンスとは、会社が、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等の立場を前提にして、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みのことです。
社外取締役は、社内に利害関係のない立場から、経営方針や経営改善についての助言・監督を行います。
ウ 「社外取締役の人数を増」やすことで、コーポレートガバナンスの強化が図れます。
よって、正解は ウ です。
不正解の理由(令和6年 問18)
ア 「女性が活躍しやすくするために労務制度を拡充した。」は、DE & Iに関する取り組みです。企業活動におけるDE&Iとは、「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげる」という考え方、もしくはそれを実現するための取り組みを意味します。((ダイバーシティ経営の推進 (METI/経済産業省) より)
イ 「迅速な事業展開のために、他社の事業を買収した。」は、M&Aの事例です。
M&Aは、新規分野への進出や、事業の拡大、再編などのために、企業の合併や買収によって相手企業の支配権を取得し、他社の経営資源を活用することです。
(応用情報 平成23年秋午前 問66、ITパスポート 令和元年 問10 より)
エ 「利益が得られにくい事業から撤退した。」は、選択と集中の事例です。選択と集中とは、得意とする、あるいは、得意としたい事業分野を絞り込み、経営資源を集中させる手法のことです。
令和6年 問21
あるソフトウェアは、定額の料金や一定の期間での利用ができる形態で提供されている。この利用形態を表す用語として、適切なものはどれか。
正解の理由(令和6年 問21)
サブスクリプションは、製品やサービスを一定期間利用できる権利を取得する方式です。
問題に「定額の料金や一定の期間での利用ができる形態で提供されている」とあるので、サブスクリプションが適切です。
よって、正解は ウ です。
不正解の理由(令和6年 問21)
ア アクティベーションとは、プロダクトIDや利用者のハードウェア情報を使って、ソフトウェアのライセンス認証をおこなうことです。
イ アドウェアとは、広告表示によって収入を得るソフトウエアの総称です。
エ ボリュームライセンスとは、企業などソフトウェアの大量購入者向けに、マスタを提供して、インストールできる許諾数をあらかじめ取り決めた契約です。
(情報セキュリティマネ 平成30年秋午前 問35より)
令和6年 問27
個人情報保護法では、あらかじめ本人の同意を得ていなくても個人データの提供が許される行為を規定している。この行為に該当するものだけを、全て挙げたものはどれか。
a 事故で意識不明の人がもっていた本人の社員証を見て、搬送先の病院が本人の会社に電話してきたので、総務の担当者が本人の自宅電話番号を教えた。
b 新規加入者を勧誘したいと保険会社の従業員に頼まれたので、総務の担当者が新入社員の名前と所属部門のリストを渡した。
c 不正送金等の金融犯罪被害者に関する個人情報を、類似犯罪の防止対策を進める捜査機関からの法令に基づく要請に応じて、総務の担当者が提供した。
正解の理由(令和6年 問27)
個人情報保護法は、個人の権利・利益の保護と個人情報の有用性とのバランスを図るための法律です。基本理念を定めるほか、民間事業者の個人情報の取扱いについて規定しています。
a 「事故で意識不明の人」とあるので、人の生命・身体・財産の保護に必要で本人の同意取得が困難な場合にあたります。個人データの提供が許されます。
b 「新規加入者を勧誘したいと保険会社の従業員に頼まれた」とあるので、個人データの提供は許されません
c 「類似犯罪の防止対策を進める捜査機関からの法令に基づく要請」とあるので、法令に基づく要請です。個人データの提供が許されます。
よって、a と c だけが個人データの提供が許される行為なので、正解は イ です。
令和6年 問32
労働者派遣における派遣労働者の雇用関係に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解の理由(令和6年 問32)
労働者は、派遣元と雇用関係にありますが、何の仕事をすればいいか、どのように仕事をすればいいかなど派遣先企業から指示されます。
イ 「派遣元との間に雇用関係があり、派遣先との間には存在しない。」が適切です。
よって、正解は イ です。
不正解の理由(令和6年 問32)
ア 図に示すように、派遣労働者と派遣先との間に雇用関係がありません。
ウ 図に示すように、派遣労働者と派遣先との間に雇用関係がありません。
エ 図に示すように、派遣労働者と派遣元との間に雇用関係があります。
令和6年 問35
実用新案に関する記述として、最も適切なものはどれか。
正解の理由(令和6年 問35)
実用新案法では、「考案」を「自然法則を利用した技術的思想の創作」(実用新案法第2条第1項)と定義しており、保護の対象は産業上利用できる「物品の形状、構造又は組合せに係る考案」に限定されています。
(2019年度_知的財産権制度入門.indd (jpo.go.jp)より)
エ 「複数の物品を組み合わせて考案した新たな製品」とあるので、実用新案の対象となります。
よって、正解は エ です。
不正解の理由(令和6年 問35)
ア 「製造方法」は「物品の形状、構造又は組合せに係る考案」でないので、「実用新案の対象となる。」は不適切です。
イ 「物品の形状、構造又は組合せに係る考案」が実用新案の対象なので、「高度なものだけが、実用新案の対象となる。」は不適切です。
ウ 「組合せに係る考案」も実用新案の対象なので、「新規性の審査に合格したものだけが実用新案として登録される。」は不適切です。
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