
”前より難しくなった。”って、みんな言っているけど、受けるのどうしようかなあ。

ちょっとまって! IPAの統計資料と過去(公開)問題で確かめてみようね。
ここ1年の合格率は平均51.5% 2人に1人は合格(全体)
試験の主催者(IPA)が発表した統計資料から、受験者数と合格率をグラフにしました。

”前より難しくなった。”と、よく言われますが、合格率の平均は、あまり変わっていません。
参考に、受験者数がITパスポートと同じくらいの日商簿記3級(ネット受験、2023年4月~2023年6月)では、合格率 42.3% でした。
2、3月の合格率の低下は、年度末の駆け込み受験の影響
2、3月に合格率が下がっていますが、最近に限ったことではありません。
多くの年で、年度末には受験者が急増し、合格率が下がっています。
年度末で、見切り発車的に受験したためと推測します。
7月の合格率低下は、受験者が元に戻ったため
2月、3月の駆け込み受験の影響で、4月~6月の受験者が少なく、7月になって元に戻りました。
過去、ITパスポート試験では、受験者が増えると合格率が下がることを何度も繰り返しています。
今回も、受験者が増えたためと考えられます。
問題の出題傾向が変わったのか?
全体の合格率は変わらなくとも、出題傾向が変わっている可能性があります。
そこで、令和5年過去(公開)問題について調べました。
問題を分類する目安
問題は、シラバスとの関係から次の3つに分けることができます。
・以前からある用語の問題:
過去問題に多く比較的学習している。試験で安心して答えられる。
・新しい用語の問題:
出題例が少ないため、対策が手薄になりやすい。試験で答えても不安が残ることが多い。
・シラバスにない用語の問題:
極めて出題例が少ないため、対策がほとんどできない。試験で答えても自信を全く持てない。
新しい用語の問題やシラバスにない用語の問題が増えると、問題が難しくなったと感じるでしょう。
そこで、この目安で公開問題を分類し、出題傾向を調べました。
ストラテジ系は、新しい用語・シラバスにない用語の問題が増加
問題の種類 | 問題数( )は内訳 | 前年との比較 | |
以前からある用語の問題 | 15問 | 5問減少 | |
新しい用語の問題 | 13問 | (4.0 4問) | |
(5.0 9問) | 2問増加 | ||
(6.0 0問) | |||
シラバスにない用語の問題 | 7問 | 2問増加 |
ストラテジ系は、新しい用語・シラバスにない用語の問題の割合が多くなりました。
多くの受験者は、難しくなったと感じるでしょう。
マネジメント系は、以前からある問題の割合が少し増加
問題の種類 | 問題数( )は内訳 | 前年との比較 | |
以前からある用語の問題 | 16問 | 3問増加 | |
新しい用語の問題 | 2問 | (4.0 2問) | |
(5.0 0問) | 4問減少 | ||
(6.0 0問) | |||
シラバスにない用語の問題 | 2問 | 2問増加 |
マネジメント系は、以前からある用語の問題と新しい用語・シラバスにない用語の問題の割合に、ほとんど変化がありませんでした。
多くの受験者は、これまでと変わらないと感じるでしょう。
テクノロジ系は、以前からある問題が増加
問題の種類 | 問題数( )は内訳 | 前年との比較 | |
以前からある用語の問題 | 24問 | 3問増加 | |
新しい用語の問題 | 13問 | (4.0 5問) | |
(5.0 6問) | 2問減少 | ||
(6.0 2問) | |||
シラバスにない用語の問題 | 8問 | 2問減少 |
テクノロジ系は、若干、以前からある問題の割合が多くなりました。
しかし、疑似言語問題があるので、簡単になったと思う人は少ないでしょう。
出題傾向に変化はなく、新しい用語・シラバスにない用語の問題が、5割近くある。
分野別に見ると少し変化はありましたが、全体でみると、令和4年過去(公開)問題の傾向と変わっていません。
相変わらず、新しい用語・シラバスにない用語の問題が、5割近くあります。
対策は、極端な不得意分野をなくすこと
統計データや公開問題から見る限り、ITパスポート試験にそれほど大きな変化はありません。
これまで通り、新しい用語・シラバスにない用語を覚える学習と分野・項目別の過去問題演習(令和以降の問題)をして、不得意分野をなくすことが大切です。
- STEP1参考書で基礎知識を覚える。
- STEP2よく出る用語を覚える。
- STEP3シラバス6、5、4の新しい用語を覚える。
- STEP4分野別に過去問題(令和元年以降の公開問題)を解いて、不得意な分野をなくす。
さまざまな意見はありますが、”ITパスポート試験は、多くの人が合格をねらえる国家試験”であることは間違いないでしょう。
次の記事は、おすすめの学習手順です。
みちともが高校生に指導していた時のノウハウを少し紹介します。
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