「データベース」は、4問程度*(テクノロジ系45問中)出題される分野です。
*令和元年秋~令和4年公開問題の平均
令和4年公開問題でも、4問ありました。
(1) 令和4年 問65
条件①~⑤によって、関係データベースで管理する“従業員”表と“部門”表を作成した。“従業員”表の主キーとして、最も適切なものはどれか。

解説
主キーは、データベースの1つの行(レコード)を重複なく識別するための項目です。
“従業員番号” は、”① 各従業員は重複のない従業員番号を一つもつ。”とあるので、“従業員”表に重複はありません。
“部門コード”は、”②一つの部門には複数名の従業員が所属する。”とあるので、“従業員”表に重複があります。
“従業員名” は、”同姓同名の従業員がいてもよい。”とあるので、“従業員”表に重複があることがあります。
よって、正解は ア です。
(2) 令和4年 問77
トランザクション処理のACID特性に関する記述として、適切なものはどれか。
解説
トランザクション処理は、処理の一貫性を保つために、お互いに関係のある処理をひとまとまりの処理として扱うことです。
ACID特性は、DataBase Management Systemの機能によって実現されるトランザクションの性質です。
次の4つがあります。
原子性(atomicity):
トランザクションの処理が全て実行されるか、全く実行されないかのいずれかで終了すること注1)
一貫性(consistency):
データペースの内容が矛盾のない状態であること注1)
独立性(isolation):
同時実行される複数のトランザクションは互いに干渉しないこと注2)
耐久性(durability):
正常に終了したトランザクションの更新結果は、障害が発生してもデータペースから消失しないこと 注1)
注1)応用情報 令和2年秋午前 問30より
注2)応用情報 平成31年春午前 問30より
ア ”データの検索時の検索速度を高めること”とあるので、ACID特性でありません。
イ ”原子性を保証することができる。”とあるので、ACID特性です。
ウ 可用性とは、”認可された利用者が、必要なときに情報にアクセスできることを確実にすること”です。”可用性を高めることができる。”は、ACID特性でありません。
エ ”テーブルを正規化すること”では、トランザクション処理の一貫性を保つことはできません。
よって、正解は イ です。
(3) 令和4年 問83
データを行と列から成る表形式で表すデータベースのモデルはどれか。
解説
ア オブジェクトモデル
データとデータの処理方法を、ひとまとめにしたオブジェクトとして表現して、データを管理するモデルです。
イ 階層モデル
データ同士の関係を木構造で表現して、データを管理するモデルです。

ウ 関係モデル
データの集まりを表形式で表現して、データを管理するモデルです。

エ ネットワークモデル
データ同士の関係を網の目のようにつながった状態で表現して、管理するモデルです。

よって、正解は ウ です。
(4) 令和4年 問98
関係データベースで管理している“従業員”表から,氏名の列だけを取り出す操作を何というか。

解説
ア 結合は、複数の表を一つの表にすることです。
次の図のような操作です。

イ 射影は、指定したフィールド(列)を抽出することです。
次の図のような操作です。

ウ 選択は、指定したレコード(行)を抽出することです。
次の図のような操作です。

エ 和は、二つの表の少なくとも一方にある行(重複した行は一方だけ)を取り込み、一つの表にすることです。
次の図のような操作です。

よって、正解は イ です。
ここまで、テクノロジ系「データベース」について、令和4年過去(公開)問題を確認しました。
選択肢にある用語を、用語集でも確認しておきましょう。
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