【コロナ禍時代の子育て】 学習内容が製品・技術に利用されていることを気づかせる。

学習内容の産業への利用に気づかせる。高校生・保護者

「『学校の勉強内容が自分に関係がある。』と子どもがわかれば、自分から勉強するよ。」と言われても、どうしたら、子ども達に、「学校の勉強内容が自分に関係がある」と感じさせられるか、悩みますよね。

そこで、今回は、「 学習内容が製品・技術に利用されていることを気づかせる。」ことについて、私が実践した内容と子育てでのポイントをお話します。

コンピュータのしくみを教える時に、私がぶつかった課題

現在、小・中・高等学校を通じて、プログラミング教育の充実が行われています。
プログラミング教育の目的は、子供たちがコンピュータの仕組みの一端を知ることにあります。
そのコンピュータの仕組み知る上で、避けて通れないのが2進数や論理回路の知識です。

でも、これらの知識を日常生活で意識して使うことはありません。
必要性がわからないものですから、子供たちはとりあえず、丸暗記して試験を乗り越えることしか考えません。

結局、勉強をつまらなく感じる子どもが多くいました。

市販の「遊び要素がある楽しい教材」を使った感想

勉強する意味が分からないものを、教科書だけ使って学んでも、ほとんどの人が拷問に感じるでしょう。
あたりまえです。
そこで、教える方も、さまざまな工夫をしてきました。

多くの教材会社が、おもちゃのロボットやLEDの光り方を変えられるような「遊び要素がある楽しい教材」を提供しています。
それらを使って授業をしました。
最初のうちは、子どもたちは楽しそうに取り組みますが、本来教えたい内容に進むと、とたんに興味をなくしていました。

教材を使ってみて、気が付きました。

「遊び要素がある楽しい教材」を使うことで、
2進数や論理回路を使うと、おもちゃのロボットが動く。
あるいは
2進数や論理回路を使うと、LEDの光る色が変えられる。
ことを理解していました。

しかし、「遊び要素がある楽しい教材」には、遊び以外に子どもたちの生活との結びつきがありません。
そのため、理解した2進数や論理回路の知識を、自分たちの日々の生活と結びつけて考えていませんでした。当然、自分の将来に役立つものとも感じていないようでした。
2進数や論理回路の知識を学ぶ意義を、子どもたちに十分に感じさせることが出来ませんでした。

前にも話しましたが、子どもたちは、「自分にとってメリットがある」、あるいは、「自分と関係が深い」と感じなければ、学ぶ気になりません。
市販の楽しいロボット教材やLED教材を使うことで、コンピュータの楽しさはわかっても、一歩進んで、コンピュータのしくみを学ぼうとする気持ちを育てるのは容易ではありません。

私の教材の工夫

子どもに勉強をするメリットや勉強が自分に関係があることを感じさせるために、教材を工夫して授業を行いました。

そこで、つぎのような教材を作って授業を行いました。

製作した教材

教材の機能・動作:
パン!という破裂音を検知するとパトランプが点灯し、リセットするまで点灯し続ける(音の検知が電子回路に記憶されていることになる)。

パトランプを多くの子どもは知っているでしょう。
テレビ番組のスーパー戦隊シリーズなんかにも、よく出てきます。
その子どもにとって身近なパトランプを使って、教材を作りました。
大爆発があって、スーパー戦隊が出動するような場面を作ることができます。

実際の授業の流れ

スーパー戦隊を例に話しましたが、相手が高校生なので、実際はもう少しまじめに授業をしました。

授業の流れ
①(行動)パン!という手をたたいた音(障害発生の代わり)を聞く。
②(問いかけ)「音が鳴ったことをその場に居なかった人に知らせる方法?」
③(思考・表現)様々な方法を考えて発表する。
④ 教材を提示する。
⑤(観察)教材を使用し、電子回路が情報を記憶する様子を体験する。
⑥(思考)電子回路(論理回路)の動作を考える。
⑦(問いかけ)「身近な製品で論理回路が使われていそうな物?」
⑧(思考・表現)日々の生活を振り返って考え発表する。
⑨ まとめを行う。

子どもたちの様子

この教材だけの効果ではありませんが、「子どもに勉強をするメリットや勉強が自分に関係があることを感じさせる。」工夫を続けた結果、つぎのような変化がありました。

  • 学びに意義を感じる子どもや意欲的に授業に取り組む子どもが、授業アンケートで約2割増えました。
  • 子どもたちの発言や授業の振り返りシートに書く内容が増え、子どもたちが積極的になりました。
  • 今まで、授業の振り返りを書くことのなかった子どもが感想を書いて出すといったこともありました。
  • 最後の授業アンケートの自由記述欄に、7割の生徒が「どのように生きたいか」「どのように学んでいきたいか」などの学び続ける意欲を書いていました。

子育てのヒント

結果の違いはなんでしょう。

市販の「遊び要素がある楽しい教材」は、おもちゃのようで、子供たちにとって物理的には身近です。逆に、パトランプが点灯するなどといったことは、実生活ではほとんどなく、物理的には距離は遠いです。

しかし、目の前のおもちゃよりも、頭の中で空想するスーパー戦隊、消防士、警察官の活躍のほうが自分の生き方や将来の仕事につながります。
子どもたちは、作った教材を心理的に身近に感じていたのではないでしょうか。

子育てのヒントとしては、次のことをあげたいと思います。

教材は、子どもにとって身近なものがいいです。
しかし、おもちゃのような「遊び要素がある楽しい教材」よりも、自分の生き方や将来の仕事などのイメージなどにつながるほうが効果が高いです。

その意味で、家庭生活の中で、勉強の内容が使われていると思われる物や作業があれば、積極的に子どもの目にふれさせるのがいいと思います。

保護者のみなさんの手伝いをさせることは、有効と思います。(なかなか難しいですが・・・。)

おわりに

今回は、「 学習内容が製品・技術に利用されていることを気づかせる。」ことについて、私が実践した内容とポイントをお話しました。

「遊び要素がある楽しい教材」では、コンピュータのしくみを学ぼうとする気持ちを育てるのは容易ではありませんでした。

子どもが社会で使う場面を想像できるような教材を使ったところ、学びに意義を感じる生徒や意欲的に授業に取り組む生徒が約2割増えるなど、子どもに勉強をするメリットや勉強が自分に関係があることを感じさせる効果がありました。

学習教材がたくさん市販されていますが、教材を与えるだけでは、勉強をするメリットや勉強が自分に関係があることを感じさせることはできません。
使う教材は子供にとって身近なものがいいです。しかし、物理的に近いおもちゃのような楽しい教材よりも、心理的に近い、自分の将来(仕事など)のイメージなどにつながるほうが効果が高いです。
家庭生活の中で、勉強の内容が使われていると思われることがあれば、積極的に子どもの目にふれさせるのがいいと思います。

次回は、「学校で学ぶ基礎的な知識・技能と関連が深い国家資格の取得に取り組ませる。」についてお話します。

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